Web広告とは?種類を分ける3つの軸
Web広告とは、検索エンジン・Webサイト・SNS・動画サービス・アプリなど、インターネット上の媒体に掲載する広告の総称です。 「ネット広告」「インターネット広告」「デジタル広告」とも呼ばれます。 チラシやテレビCMのような従来型の広告と比べると、少額から出稿できる媒体が多いこと、 配信する相手を地域・年齢・興味関心などで絞り込めること、 そして表示回数やクリック数などの数値で反応を確認しやすいことが大きな特徴です。
一方で、Web広告は種類が非常に多く、同じ「SNS広告」でも媒体ごとに利用者層や広告の見え方が異なります。 はじめて検討する方がつまずきやすいのは、この「種類の多さ」です。 そこでこの記事では、個々の媒体名を覚える前に、Web広告の種類を整理するための3つの軸を押さえるところから始めます。 この軸を知っておくと、新しい媒体や広告メニューを目にしたときにも「これはどの位置づけの広告か」を自分で判断しやすくなります。
軸1:どこに表示されるか(配信面)
1つ目の軸は、広告が表示される場所、つまり配信面です。 検索結果ページに表示されるのか、ニュースサイトやブログの広告枠に表示されるのか、 InstagramやLINEのタイムラインに表示されるのか、YouTubeなどの動画の前後に流れるのか—— 配信面が変われば、広告を見る人の状態(何かを探している最中なのか、なんとなく眺めているのか)も変わります。 検索中の人は目的がはっきりしている一方、SNSを眺めている人はまだ具体的なニーズを意識していないことが多い、というように、 配信面ごとの「見る人の気持ち」を想像することが、種類選びの第一歩になります。
軸2:何に対して費用を払うか(課金方式)
2つ目の軸は、課金方式です。 広告がクリックされたときに費用が発生する「クリック課金」、表示された回数に応じて費用が発生する「インプレッション課金」、 商品購入や申し込みなどの成果が発生したときだけ費用を払う「成果報酬」、 一定期間の掲載に対して定額を払う「期間掲載型・月額型」などがあります。 同じ金額を使っても、課金方式によって「何が得られるのか」が異なるため、予算の組み方にも直結します。 課金方式の詳細は、後半の課金方式の種類で整理します。
軸3:誰に届けるか(ターゲティング)
3つ目の軸は、ターゲティング、つまり広告を届ける相手の決め方です。 大きく分けると、検索語に反応して配信する「キーワードターゲティング」、 地域・年齢・性別などの属性で絞る「属性ターゲティング」、 興味関心や閲覧傾向をもとにする「興味関心ターゲティング」、 一度サイトを訪れた人に再度配信する「リターゲティング」などがあります。 店舗ビジネスの場合は、商圏に合わせた地域ターゲティングが使えるかどうかが、媒体選びの重要なポイントになります。
POINT
Web広告の種類は「どこに表示されるか(配信面)」「何に費用を払うか(課金方式)」「誰に届けるか(ターゲティング)」の3つの軸で整理できます。 媒体名から入るのではなく、自社の目的に合う組み合わせはどれかという順で考えると、選択肢を絞り込みやすくなります。
Web広告の種類一覧——主な媒体と特徴
ここからは、店舗・サービス事業者が検討する機会の多いWeb広告の種類を、一つずつ見ていきます。 それぞれ「どんな広告か」「向いている目的」「注意点」の順で整理しました。 なお、広告メニューの名称や仕様は媒体ごとに更新されることがあるため、実際に出稿する際は各媒体の公式ヘルプで最新情報を確認してください。
1. リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索結果ページに、検索語に連動して表示されるテキスト中心の広告です。 「検索連動型広告」とも呼ばれ、ユーザーが入力したキーワードに関連する広告が、通常の検索結果の上部や下部に「スポンサー」などの表記とともに表示されます。 課金方式はクリック課金が中心で、広告が表示されただけでは費用が発生しないのが一般的です。
最大の特徴は、「今まさに探している人」に届けやすいことです。 「駅名 ヘアサロン」「地域名 整体」のように具体的な検索をしている人は、比較・検討の段階にいることが多く、 行動に近いユーザーに接触できる可能性があります。 一方で、競合の多いキーワードはクリック単価が高くなりやすく、キーワードの選定や広告文の改善、除外キーワードの設定など、継続的な運用の手間がかかる点には注意が必要です。 仕組みや始め方は、リスティング広告とは?仕組みと始め方の記事で詳しく解説しています。
2. ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、ニュースサイト・ブログ・アプリなどに設けられた広告枠に表示される、画像や動画を使った広告です。 GoogleやYahoo!の広告ネットワークを通じて、配信先となる多数のサイトやアプリへまとめて配信できるのが一般的です。 バナー広告と呼ばれることもあります。
検索している人だけでなく、まだニーズがはっきりしていない潜在層にも届けられるのが特徴で、 画像で雰囲気を伝えやすいことから、認知の拡大や、サイト訪問者への再接触(リターゲティング)に使われることが多いとされています。 ただし、ユーザーは別の目的でサイトを見ているため、リスティング広告と比べるとクリック率は低めになる傾向があります。 「どのくらいの人に見てもらえたか」「サイトへの再訪が増えたか」など、目的に合った指標で評価することが大切です。
3. SNS広告
SNS広告は、Instagram・Facebook・LINE・X(旧Twitter)・TikTokなどのSNSのタイムラインやストーリーズ、トーク画面周辺などに配信する広告です。 投稿と同じような見た目で表示されるものが多く、画像・動画・カルーセル(複数画像の横スクロール)など、表現の幅が広いのが特徴です。
SNS広告の強みは、地域・年齢・性別・興味関心などで細かく配信対象を絞れることと、 日予算を少額に設定できる媒体が多いことです。 店舗ビジネスであれば「店舗から半径数キロ以内に住む、特定の年代の人」といった配信も設定できる場合があり、 ビジュアルで魅力を伝えやすいヘアサロン・ネイルサロン・エステ・飲食店などで検討されることが多い種類です。 一方で、媒体ごとに利用者層が異なるため、自社の顧客層がよく使うSNSを選ぶことが前提になります。 少額での始め方は、SNS広告を少額で始める方法——InstagramとLINEの基本の記事で解説しています。
4. 動画広告
動画広告は、YouTubeなどの動画配信サービスや、SNSのフィード・ストーリーズなどで配信される動画形式の広告です。 動画の再生前後や途中に流れる「インストリーム広告」、フィードや記事の中に表示される「インフィード動画広告」などの形式があります。
動画は音や動きを使って多くの情報を短時間で伝えられるため、サービスの雰囲気や施術・体験の流れを伝えたい場合に向いています。 課金方式は、一定時間以上視聴されたときに費用が発生する「視聴課金(CPV)」や、インプレッション課金などが用いられるのが一般的です。 注意点は、動画素材の制作に手間や費用がかかることです。 最近はスマートフォンで撮影した短尺の縦型動画を使う事業者も増えていますが、冒頭の数秒で興味を引けるかどうかが視聴されるかを左右すると言われています。
5. リターゲティング広告(リマーケティング広告)
リターゲティング広告は、一度自社のWebサイトを訪れた人や、特定のページを見た人に対して、別のサイトやSNS上で再度広告を表示する手法です。 Googleでは「リマーケティング」と呼ばれることもあります。 厳密には配信面の種類ではなく、ディスプレイ広告やSNS広告の中で使われるターゲティング手法の一つです。
一度興味を持った人に思い出してもらうきっかけをつくれるため、比較検討に時間がかかるサービスで活用されることが多いとされています。 ただし、配信対象となる訪問者数がある程度いないと十分に配信されないこと、 同じ広告を繰り返し見せすぎると不快感を与える可能性があることには注意が必要です。 また、Cookie規制やプライバシー保護の流れを受けて、配信の仕組みは変化し続けているため、媒体の最新の仕様を確認しながら使うことが求められます。
6. アフィリエイト広告(成果報酬型広告)
アフィリエイト広告は、ブログやメディアの運営者(アフィリエイター)が商品やサービスを紹介し、 そのリンク経由で購入・申し込みなどの成果が発生したときに報酬を支払う仕組みの広告です。 多くの場合、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)と呼ばれる仲介事業者を通じて実施します。
成果が発生したときに費用を払う仕組みのため、広告費の無駄を抑えやすい点が魅力とされています。 一方で、ASPの初期費用や月額費用がかかる場合があること、紹介してくれるメディアが集まらないと成果が出にくいこと、 紹介記事の表現を広告主側が十分に管理しきれない場合があることなどが注意点です。 アフィリエイト広告は広告主の表示として景品表示法の規制対象になり得るため、紹介内容の管理体制を整えておくことも欠かせません。 通販や全国向けのオンラインサービスで使われることが多く、地域密着の店舗ビジネスでは優先度が下がる場合もあります。
7. 純広告(予約型広告)
純広告は、特定のWebサイトやアプリの広告枠を、期間・表示回数などを決めて買い取る形式の広告です。 ポータルサイトのトップページや、業界専門メディア、地域情報サイトの広告枠などが代表例です。
掲載面や掲載期間があらかじめ決まっているため、特定の媒体の読者に向けて安定した露出を得たい場合に検討されることがあります。 ただし、大手ポータルの枠はまとまった費用がかかるのが一般的で、少額での出稿には向かないケースが多いとされています。 一方、地域情報サイトや業界特化メディアの中には、比較的手ごろな掲載料の枠を用意しているところもあるため、 顧客層と媒体の読者層が重なっているかを確認したうえで検討するとよいでしょう。
8. 記事広告(タイアップ広告)・ネイティブ広告
記事広告は、メディアの編集部やライターが、広告主の商品やサービスを記事形式で紹介する広告です。 「タイアップ広告」「PR記事」とも呼ばれます。 また、ネイティブ広告は、掲載先のコンテンツに溶け込む形式で表示される広告の総称で、ニュースアプリの記事一覧に並ぶ「インフィード広告」などが代表的です。
記事広告は、サービスの背景やこだわりを詳しく伝えられる点が強みで、媒体の信頼性を借りて情報を届けられる可能性があります。 一方で、記事制作費と掲載費がかかるため、費用はまとまった額になりやすい傾向があります。 また、広告であることを明示しない、いわゆるステルスマーケティングは景品表示法の規制対象となっています。 記事広告やインフルエンサーへの依頼を行う場合は、「広告」「PR」などの表記が適切にされているかを確認することが重要です。
9. メール広告・メッセージ配信
メール広告は、メールマガジンの本文や広告枠に掲載する広告や、特定の条件に合う会員に配信するメールのことです。 また、自社の会員やLINE公式アカウントの友だちに向けたメッセージ配信も、広い意味でのWeb上の販促手段として使われています。
メッセージ配信は、一度接点を持った顧客との関係を深めるのに向いており、再来店の案内や新メニューの告知などに活用されます。 新規顧客の獲得というより、リピートの促進や休眠顧客の掘り起こしに強みがある種類と考えるとよいでしょう。 配信しすぎるとブロックや配信停止につながる可能性があるため、頻度と内容のバランスが大切です。 LINE公式アカウントの基本は、LINE公式アカウントの記事もあわせてご覧ください。
10. 地図・ローカル向けの広告
Googleマップなどの地図アプリや、地図検索の結果に表示される広告も、店舗ビジネスにとっては検討対象になります。 「近くの〇〇」「地域名 業種」で地図を開いた人に対して、店舗の情報を目立たせる形式が一般的です。 地図検索での露出は、広告だけでなく、Googleビジネスプロフィールの整備や口コミの充実といった無料の取り組み(MEO対策)とも深く関係しています。 まずは無料でできる整備を進め、そのうえで広告を検討するという順番が現実的です。 MEO対策の基本はMEO対策の記事で解説しています。
番外編:検索候補を活用するサジェスト広告
ここまでの種類とは少し位置づけが異なる施策として、サジェスト広告があります。 サジェスト広告は、GoogleやYahoo!の検索窓に文字を入力したときに表示される検索候補(サジェスト)を活用して、 店舗名やサービス名の認知向上を図る施策です。 検索エンジン各社が販売する公式の広告枠ではなく、検索候補の内容は各社のアルゴリズムが自動で生成しているため、 検索候補への表示が保証されるものではありません。
リスティング広告が「検索結果ページ」での接点をつくるのに対し、サジェスト広告は「検索窓に文字を入力している途中」という、さらに手前の段階を掲載を想定する面としています。 検索候補には他の候補も並ぶため、店名だけが単独で表示されるものではありませんが、 「地域名×業種」で探す人の目に名前が触れる機会をつくり、将来の指名検索につなげることを図る——という考え方です。 仕組みの詳細はサジェスト広告とは?の記事で解説しています。
Web広告の課金方式の種類
Web広告の費用を考えるうえで欠かせないのが、課金方式の理解です。 同じ予算でも、課金方式によって「お金を払って得られるもの」が変わります。 ここでは代表的な課金方式を整理します。
- クリック課金(CPC) —— 広告がクリックされるたびに費用が発生する方式。リスティング広告や多くのSNS広告・ディスプレイ広告で選べます。サイトへの訪問を重視する場合に使われ、表示されただけでは費用がかからないのが一般的です
- インプレッション課金(CPM) —— 広告が1,000回表示されるごとに費用が発生する方式。多くの人の目に触れることを重視する認知目的の配信で使われることが多いとされています
- 視聴課金(CPV) —— 動画広告が一定時間以上視聴された、または最後まで視聴されたときに費用が発生する方式。YouTube広告などで用いられます
- 成果報酬(CPA課金) —— 購入・申し込み・会員登録などの成果が発生したときに費用が発生する方式。アフィリエイト広告が代表例です。成果の定義を事前に確認することが重要です
- エンゲージメント課金 —— SNS広告で、いいね・シェア・フォローなどの反応があったときに費用が発生する方式。媒体によって選べる範囲が異なります
- 期間掲載型・月額型 —— 一定期間の掲載や施策に対して定額を支払う方式。純広告や一部の月額制サービスで見られます。支出が読みやすい反面、反応の多寡にかかわらず費用が発生するのが一般的です
クリック課金や成果報酬は「反応があったときだけ払う」ため無駄が少なく見えますが、 競合が多い分野ではクリック単価が上がり、想定より費用が膨らむこともあります。 逆に月額型は「反応がなくても費用が発生する」一方で、クリック数に連動して支出が増えないため、予算を管理しやすいという面があります。 どちらが優れているというより、自社の目的と予算管理のしやすさに合うかどうかで選ぶのが現実的です。
入札(オークション)の仕組みを知っておく
リスティング広告やSNS広告の多くは、同じ広告枠に出稿したい広告主同士のオークション(入札)によって、表示される広告や単価が決まる仕組みをとっています。 入札価格だけでなく、広告の品質や関連性なども考慮されるとされており、 「高い金額を払えば常に上に出る」わけではありません。 人気の高いキーワードや、競合の多い地域・業種では単価が上がりやすいため、 最初は競合の少ない具体的なキーワード(例:駅名×業種×メニュー名)から試す、といった工夫が一般的に紹介されています。
種類別の費用感の目安と比較表
「Web広告の費用はいくらかかるのか」は、種類・課金方式・出稿条件によって大きく異なります。 ここでは、主な種類ごとの費用感を一般的な目安として整理します。 実際の金額は、業種・地域・競合状況・時期・広告の品質などによって変わるため、あくまで検討の出発点としてご覧ください。
主な種類の費用感(一般的な目安)
| 種類 | 主な課金方式 | 費用感の一般的な目安 | 主な目的 |
|---|---|---|---|
| リスティング広告 | クリック課金 | 日予算は少額から設定可能。事業者に運用を任せる場合、月額20万〜50万円程度(広告費+運用費)が相場の目安とされる | 今探している人への接触 |
| ディスプレイ広告 | クリック課金・インプレッション課金 | 少額から設定可能。クリック単価はリスティング広告より低めになる傾向があるとされる | 潜在層への認知・再接触 |
| SNS広告 | インプレッション課金・クリック課金など | 日予算数百円〜数千円程度から設定できる媒体が多いとされる | 地域・属性を絞った認知 |
| 動画広告 | 視聴課金・インプレッション課金 | 配信費は少額から設定可能。別途、動画制作の費用や手間がかかる | 雰囲気・体験の訴求 |
| アフィリエイト広告 | 成果報酬 | 成果報酬に加え、ASPの初期費用・月額費用がかかる場合がある | 購入・申し込みの獲得 |
| 純広告・記事広告 | 期間掲載・掲載料 | 媒体規模によって幅が大きく、大手媒体ではまとまった費用になるのが一般的 | 特定媒体の読者への露出 |
| SEO対策(参考) | 施策の内容による | 事業者に依頼する場合、月額10万〜50万円程度が相場の目安とされる | 検索結果での中長期の露出 |
| サジェスト広告(参考) | 月額制 | Adnymousの場合、月額2万円から | 検索候補での名前の認知 |
※表は各施策の一般的な仕組みの違いを示したものです。SEO対策・リスティング広告の金額は一般的な相場の目安であり、施策内容・事業者・出稿条件により大きく異なります。サジェスト広告は検索候補への表示を保証するものではありません。費用は実施条件によって変わります。
※ディスプレイ広告・SNS広告・動画広告・アフィリエイト広告・純広告・記事広告の費用感も一般的な目安であり、媒体・業種・地域・出稿時期などの条件によって大きく異なります。
各施策の費用相場の考え方や、広告費を抑える発想については、 リスティング広告・SEO対策・MEO対策の費用相場と広告費を抑える考え方の記事でも詳しく解説しています。
「広告費」と「それ以外の費用」を分けて考える
Web広告の予算を考える際に見落とされやすいのが、媒体に支払う広告費以外の費用です。 代表的なものとして、次のような費用や手間が挙げられます。
- 運用代行の手数料 —— 代理店に運用を任せる場合、広告費の一定割合(20%前後が一つの目安とされることが多い)や、月額固定の手数料がかかる場合があります
- クリエイティブの制作費 —— バナー画像・動画・記事などの制作費用。自作する場合も、作業時間というコストがかかります
- 受け皿となるページの整備費 —— 広告のリンク先となるWebサイトや予約ページの整備。受け皿が弱いと、クリックされても問い合わせに進みにくくなります
- 計測環境の準備 —— GA4やコンバージョン計測の設定。効果を判断するための土台です
これらを含めた「総額」で考えると、同じ広告費でも実質的な負担が変わってきます。 特に小規模な店舗では、オーナー自身の作業時間も大切な資源です。 「自分で運用する時間をどれだけ確保できるか」も、種類選びの判断材料に入れておくと現実的な計画になります。
目的別の選び方——認知・比較検討・行動
Web広告の種類選びで最も大切なのは、「何のために広告を出すのか」を先に決めることです。 お客様が店舗やサービスを利用するまでには、一般に「知る(認知)」→「比べる(比較検討)」→「申し込む(行動)」という段階があるとされています。 どの段階の人に届けたいのかによって、向いている種類が変わります。
認知段階:まだ自社を知らない人に知ってもらう
まだ自社の名前を知らない人に存在を知ってもらいたい場合は、SNS広告・ディスプレイ広告・動画広告のように、 多くの人の目に触れやすい種類が検討対象になります。 この段階の広告は、すぐに問い合わせにつながるとは限らず、「名前を見たことがある」という状態を積み上げていく役割を担います。 評価も、クリック数や問い合わせ数だけでなく、表示回数・リーチ数、そして後から自社名で検索する人(指名検索)の推移などで見ていくのが一般的です。 認知度の考え方は認知度を上げる方法の記事でも整理しています。
比較検討段階:探している人の候補に入る
「地域名 業種」「駅名 サービス名」などで検索し、いくつかの候補を比べている人に届けたい場合は、 リスティング広告や地図検索での露出が中心になります。 この段階の人は具体的なニーズを持っているため、広告文やリンク先のページで「選ばれる理由」をわかりやすく示すことが大切です。 また、比較検討の段階で名前を思い出してもらうには、それ以前の認知段階での接触が効いてくる、という考え方もあります。
行動段階:迷っている人の背中を押す
一度サイトを見たものの申し込みに至らなかった人や、以前利用したことがある人に再び行動してもらいたい場合は、 リターゲティング広告やメッセージ配信が検討対象になります。 初回特典や新メニューの案内など、具体的なきっかけを提示できると効果的とされています。
POINT
少額で始める場合は、すべての段階に手を広げるより、自社が今いちばん足りていない段階を一つ選ぶのがおすすめです。 「そもそも名前を知られていない」のか、「知られているが比較で選ばれていない」のかによって、優先すべき種類が変わります。
検索候補に、あなたのサービス名を。
Adnymousは、GoogleやYahoo!などの検索候補を活用し、店舗名・サービス名の認知向上を図る広告サービスです。 月額2万円から実施でき、ご希望の検索語をふまえて実施の可否や条件をご説明します。
15分の相談を申し込む※費用は実施条件によって変わります。検索候補への表示を保証するものではありません。
Web広告を小さく始める手順
Web広告は、いきなり大きな予算を投じるより、小さく試して数値を見ながら広げていく進め方が一般的に推奨されています。 ここでは、はじめてWeb広告に取り組む店舗・サービス事業者向けに、少額で始めるための手順を8つのステップで整理します。
- 目的を一つに絞る —— 「新規の問い合わせを増やしたい」「地域での認知を高めたい」「再来店を促したい」など、今回の広告で達成したいことを一つに決めます。目的が複数あると、種類選びも評価もぶれやすくなります
- 現状の数値を控える —— 月間のサイト訪問数、問い合わせ数、指名検索数などを、広告を始める前の基準値として記録します。GA4やGoogle Search Consoleで確認できる範囲で構いません
- 1件の新規顧客にかけられる費用を計算する —— 新規客の平均単価やリピート率から、1人の新規顧客を獲得するためにいくらまでなら使えるか(許容CPA)を概算します。考え方はCPAとLTVの基本の記事で解説しています
- 目的に合う種類を1〜2つ選ぶ —— 前章の「目的別の選び方」を参考に、最初に試す種類を絞り込みます。はじめから多くの種類に分散させると、1つあたりの予算が少なくなり、判断に必要なデータが集まりにくくなります
- 受け皿のページを整える —— 広告のリンク先となるページに、料金・場所・予約や問い合わせの方法が明記されているかを確認します。受け皿が整っていないと、広告費がかかってもクリック後に離脱されやすくなります
- 少額・短期間でテスト配信する —— 日予算や期間を決めて、まずは小さく配信します。広告文や画像は2〜3パターン用意し、どれの反応がよいかを比べられるようにしておくと改善につなげやすくなります
- 数値を振り返って改善する —— 表示回数・クリック率・問い合わせ数・費用などを確認し、反応のよい配信に予算を寄せ、反応の悪い配信は止めるか内容を変えます。配信直後は数値が安定しにくいため、一定期間のデータで判断するのが一般的です
- 効果が見えたら段階的に広げる —— 目的に合った成果が確認できたら、予算を少しずつ増やしたり、別の種類を組み合わせたりします。広げる際も、基準値との比較を続けることが大切です
小さく始めるときのチェックリスト
配信を始める前に、次の項目を確認しておくと、よくある失敗を避けやすくなります。
- 広告の目的と、評価に使う指標が決まっているか
- 月の上限予算と、テスト期間が決まっているか
- 配信地域が商圏と合っているか(遠方に配信していないか)
- リンク先のページがスマートフォンで見やすいか
- 料金・所在地・問い合わせ方法がリンク先ですぐにわかるか
- 広告の表現が、景品表示法などのルールや媒体の広告ポリシーに沿っているか
- GA4などで問い合わせ数を計測できる状態になっているか
- 運用代行を使う場合、手数料・最低契約期間・報告内容を確認したか
業種別に見る組み合わせの考え方
どの種類が合うかは、業種やお客様の探し方によっても変わります。 ここでは、店舗・サービス事業者の代表的な業種ごとに、Web広告の種類をどう組み合わせるかの考え方を例として紹介します。 あくまで一般的な考え方の一例であり、実際の最適な組み合わせは商圏・競合・客層によって異なります。
ヘアサロン・ネイルサロン・まつげサロン
仕上がりのイメージが来店の決め手になりやすい業種のため、ビジュアルで伝えられるSNS広告が検討しやすい種類です。 商圏を絞った配信で近隣の人に知ってもらいつつ、「駅名 ネイルサロン」などで検索する比較検討層には、地図検索やリスティング広告で候補に入ることを図る、という組み合わせが考えられます。 サロン集客の全体像はサロン集客の記事も参考になります。
エステ・パーソナルジム
比較的単価が高く、申し込みまでに複数の店舗を比べる人が多い業種です。 そのため、比較検討の段階で名前を思い出してもらえるかが重要になります。 SNS広告や動画広告で雰囲気や体験の流れを伝え、リスティング広告で比較中の人に接触し、 サイトを訪れた人にはリターゲティング広告で再接触する、という段階ごとの組み合わせが一般的に紹介されています。 なお、エステやパーソナルジムの広告表現は、効果を断定するような表現が景品表示法上の問題になり得るため、表現には十分な注意が必要です。
整体院・リラクゼーションサロン
「地域名 整体」のように、地域と業種で探されることが多い業種です。 地図検索での露出と口コミの充実が大きな役割を持つため、まずMEO対策の整備を優先し、そのうえでリスティング広告を少額で試す、という順番が考えられます。 整体院集客の考え方は整体院の集客方法の記事で解説しています。
飲食店
飲食店は、写真で魅力が伝わりやすく、「今日どこで食べるか」という短い検討期間で選ばれることも多い業種です。 SNS広告や地図検索での露出が相性のよい種類として挙げられることが多く、 グルメサイトへの掲載と組み合わせて検討する店舗も少なくありません。 詳しくは飲食店の集客方法の記事をご覧ください。
BtoBサービス・専門サービス
企業向けのサービスや、士業・コンサルティングなどの専門サービスは、検討期間が長く、社内での比較や稟議を経て問い合わせに至ることが一般的です。 そのため、リスティング広告で課題を検索している人に接触しつつ、 社名・サービス名を覚えてもらい、後日の指名検索につなげる認知施策を並行する考え方があります。 検討期間が長いぶん、リターゲティング広告やメールでの継続的な情報提供も検討対象になります。
種類ごとの効果の見方
Web広告は数値で反応を確認しやすいのが特徴ですが、種類や目的によって見るべき指標は異なります。 認知目的の広告を問い合わせ数だけで評価すると「効果がない」と判断してしまい、逆に行動目的の広告を表示回数で評価すると実態を見誤ることがあります。
- 行動を目的とした広告(リスティング広告・リターゲティング広告など) —— クリック率(CTR)、コンバージョン数、コンバージョン率(CVR)、顧客獲得単価(CPA)などが中心の指標です
- 認知を目的とした広告(SNS広告・ディスプレイ広告・動画広告など) —— 表示回数(インプレッション)、リーチ数、フリークエンシー(1人あたりの表示回数)、動画の視聴率などを見ます。あわせて、指名検索数やサイトへの直接訪問数の推移も確認します
- 関係維持を目的とした配信(メッセージ配信など) —— 開封率・クリック率・再来店数・ブロック率などを見ます
指名検索数は「認知の積み上げ」を見る手がかり
認知を目的とした施策の成果は、直接の問い合わせ数には表れにくいことがあります。 そこで手がかりになるのが、店名・サービス名で検索された回数(指名検索数)の推移です。 広告で名前に触れた人が、後日あらためて名前で検索する——という動きが増えていれば、認知が積み上がっている一つのサインと考えられます。 指名検索数は、Google Search Consoleの検索パフォーマンスで、店名を含む検索語の表示回数やクリック数を見ることで把握できます。 調べ方は指名検索数の調べ方の記事で解説しています。
また、広告の効果は季節や曜日、競合の動き、SNSでの話題などにも影響されます。 1週間単位の増減に一喜一憂するのではなく、月単位の推移を施策前の基準値と比べる視点を持つと、判断がぶれにくくなります。
よくある誤解と実際
Web広告の種類を調べていると、断片的な情報から誤解が生まれることがあります。 はじめて取り組む方が陥りやすい代表的な誤解を、「誤解→実際」の形で5つ整理します。
誤解1:「Web広告は大きな予算がないと始められない」
実際:リスティング広告やSNS広告の多くは、日予算を少額に設定して出稿できます。 もちろん予算が少ないほど集まるデータも少なくなりますが、目的を絞って小さく試し、反応を見てから広げる進め方は十分に可能です。 大切なのは金額の大小より、何を確かめるためのテストなのかを明確にしておくことです。
誤解2:「クリック課金なら無駄な費用はかからない」
実際:クリック課金は表示だけでは費用がかからないのが一般的ですが、 目的と関係の薄い検索語で表示されたり、商圏外の人にクリックされたりすると、問い合わせにつながらないクリックにも費用が発生します。 キーワードや配信地域の設定、除外設定などを見直すことで、無駄を減らす工夫が求められます。
誤解3:「一番安い種類を選べば費用対効果がよい」
実際:クリック単価や表示単価が安い種類でも、自社の目的や顧客層に合っていなければ、成果につながりにくいことがあります。 費用対効果は「単価の安さ」ではなく、「目的に対してどれだけの成果が得られたか」で判断するものです。 単価の比較だけで種類を選ばないことが大切です。
誤解4:「広告を出せばすぐに問い合わせが増える」
実際:比較検討段階の人に届くリスティング広告などは比較的早く反応が見えやすい一方、 認知を目的とした広告は、名前を覚えてもらい、実際に検索・来店されるまでに時間がかかることがあります。 また、リンク先のページや店舗の受け入れ体制が整っていないと、広告の反応が成果につながりにくくなります。 広告は集客の「入口」の一つであり、受け皿とセットで考える必要があります。
誤解5:「一つの種類で集客のすべてをまかなえる」
実際:お客様は、SNSで見かけ、検索で比べ、口コミを読み、地図で場所を確かめる——というように、複数の接点を経て行動することが多いと言われています。 一つの種類だけですべての段階をカバーするのは難しいため、予算が限られている場合も、 無料でできるSEO対策・MEO対策・SNSの通常投稿と、有料の広告を役割分担させる考え方が現実的です。
用語ミニ解説
本文に登場した用語や、Web広告の種類を調べる際によく出てくる用語を、初めての方向けに短く整理します。
- リスティング広告 —— 検索結果ページに、検索語に連動して表示される広告。検索連動型広告とも呼ばれます
- ディスプレイ広告 —— Webサイトやアプリの広告枠に表示される画像・動画などの広告。バナー広告とも呼ばれます
- SNS広告 —— Instagram・LINE・Facebook・X・TikTokなどのSNS上に配信する広告のことです
- リターゲティング広告 —— 一度サイトを訪れた人などに、別のサイトやSNS上で再度広告を表示する手法です
- 純広告 —— 特定の媒体の広告枠を、期間や表示回数を決めて買い取る形式の広告です
- CPC(クリック単価) —— 広告が1回クリックされるごとにかかる費用。クリック課金の単価です
- CPM(インプレッション単価) —— 広告が1,000回表示されるごとにかかる費用のことです
- CTR(クリック率) —— 広告が表示された回数のうち、クリックされた割合のことです
- CVR(コンバージョン率) —— サイト訪問者のうち、問い合わせや申し込みなどの成果に至った割合のことです
- CPA(顧客獲得単価) —— 1件の成果を得るためにかかった費用。広告費を成果件数で割って求めます
- 指名検索 —— 店名・会社名・サービス名など、固有の名前を直接入力して行われる検索のことです
- サジェスト(検索候補) —— 検索窓に文字を入力すると表示される、関連キーワードの候補。検索エンジンが自動で生成します
よくある質問
Web広告にはどんな種類がありますか?
Web広告の費用はどのくらいかかりますか?
少ない予算で始めるなら、どの種類から検討すればよいですか?
クリック課金(CPC)とインプレッション課金(CPM)はどう違いますか?
Web広告は自分で運用できますか?代理店に任せるべきですか?
Web広告の効果はどうやって確認すればよいですか?
Web広告とSEO対策・MEO対策はどう使い分ければよいですか?
サジェスト広告はWeb広告の種類の一つですか?
Adnymousのサジェスト広告について相談するにはどうすればよいですか?
まとめ
Web広告には、リスティング広告・ディスプレイ広告・SNS広告・動画広告・リターゲティング広告・アフィリエイト広告・純広告・記事広告・メッセージ配信など、さまざまな種類があります。 種類が多くて迷ったときは、「どこに表示されるか(配信面)」「何に費用を払うか(課金方式)」「誰に届けるか(ターゲティング)」の3つの軸で整理すると、それぞれの位置づけが見えてきます。
費用は種類・課金方式・出稿条件によって大きく異なり、この記事で紹介した金額はいずれも一般的な目安です。 少額で始める場合は、目的を一つに絞り、施策前の数値を控えたうえで、1〜2つの種類を小さく試し、数値を見ながら広げていく進め方が現実的です。 認知・比較検討・行動のどの段階が自社にとって足りていないのかを見極め、無料でできるSEO対策・MEO対策とも役割分担しながら、自社に合う組み合わせを探していきましょう。 Adnymousのサービス内容はサービス紹介、料金は料金ページでご確認いただけます。
Web広告の種類を比べるなかで「名前を知ってもらう段階」が足りていないと感じた場合は、検索候補(サジェスト)という検索の入口を活用して、店舗名・サービス名の認知の積み上げと将来の指名検索への定着を図る、サジェスト広告という選択肢もあります。 リスティング広告やSNS広告と役割を分け、月額制で中長期の認知施策を組み合わせるという考え方です。
まずは15分、オンラインでご説明します。
仕組みと試算の考え方を、貴店・貴社の数値に合わせてご説明します。 ご検討中の検索語があれば、実施の可否や条件もその場でお答えします。
15分の相談を申し込む※月額2万円から。費用は実施条件によって変わります。


