指名検索とは?——一般検索との違い
指名検索とは、店名・社名・ブランド名・サービス名など、固有の名前で行われる検索のことです。 たとえば「◯◯整体院」「カフェ◯◯ 予約」のように、探す対象がはじめから決まっている検索を指します (店名は架空の例です)。英語では「ブランド検索(branded search)」とも呼ばれ、 指名検索が行われた回数を指名検索数と呼びます。
一方、「渋谷 ネイルサロン」「腰痛 ストレッチ」のように、業種・地域・悩みなどのキーワードで行われる検索は 一般検索(非指名検索)と呼ばれます。同じ「検索」でも、指名検索と一般検索とでは 検索する人の状態が大きく異なります。両者の違いを表に整理します。
| 比較項目 | 指名検索 | 一般検索(非指名検索) |
|---|---|---|
| 検索語の例 | 「◯◯整体院」「◯◯サロン 予約」など店名・社名そのもの | 「渋谷 ネイルサロン」「整体 選び方」など業種・地域・悩みの語 |
| 検索する人の状態 | すでに名前を知っていて、その対象を調べに来ている | これから探し始める段階で、比較検討の途中 |
| 検索結果の傾向 | 自店・自社に関する情報が中心になりやすい | 多くの競合やポータルサイトと並んで比較されやすい |
※検索行動の一般的な傾向を整理したものです。すべての検索がこの分類にきれいに当てはまるとは限りません。
POINT
指名検索は「名前を知っている人」にしかできない検索です。だからこそ指名検索数は、 お店やサービスの認知度を映す指標のひとつと考えられています。
完全指名と部分指名——指名検索の2つのタイプ
指名検索は、さらに2つのタイプに分けて考えると実務で扱いやすくなります。 ひとつは、店名・社名だけで検索される完全指名(例:「◯◯整体院」)。 もうひとつは、店名に別の語を組み合わせて検索される部分指名 (例:「◯◯整体院 予約」「◯◯整体院 口コミ」「カフェ◯◯ ランチ メニュー」)です(店名はいずれも架空の例です)。
完全指名は「とにかくそのお店のことを調べたい」という検索で、公式サイトやGoogleビジネスプロフィールへの入口になります。 一方、部分指名の組み合わせ語には、検索した人がいま知りたいことがそのまま表れます。 「予約」「営業時間」「アクセス」なら来店直前の確認、「口コミ」「評判」なら比較検討の最終段階、 「メニュー」「料金」なら内容の下調べ、といった具合です。
後述するSearch Consoleで店名を含むクエリを一覧にすると、この組み合わせ語まで確認できます。 「店名+料金」の検索が多いのに料金ページが分かりにくい、といったギャップを見つけて改善につなげられるため、 指名検索の分析では完全指名の数を追うだけでなく、部分指名の中身まで見るのがおすすめです。
BtoC(店舗)とBtoBで異なる指名検索の現れ方
飲食店・サロン・整体院などのBtoC(消費者向け)の店舗ビジネスでは、指名検索はスマートフォンからの検索が中心で、 営業時間・場所・メニュー・口コミの確認といった来店前の最終チェックとして現れやすい傾向があります。 地図アプリやGoogleビジネスプロフィール経由の行動と一体になっていることも多く、 検索から来店までの時間が比較的短いのが特徴と言われています。
一方、BtoB(企業向けのサービスや製品)では、展示会・紹介・営業メールなどで名前を知った担当者が、 後から「社名 評判」「サービス名 料金」「社名 導入事例」のように調べるかたちで現れやすいと言われています。 比較検討や社内での検討のために複数の関係者がそれぞれ検索することもあり、 検索から問い合わせまでの期間はBtoCより長くなる傾向があります。
現れ方は違っても、「名前を知った後の確認行動」という本質は共通です。 自分の業態では指名検索がどの場面で発生しやすいかをイメージしておくと、 このあと紹介する計測方法や施策の優先順位を考えやすくなります。
「ブランドクエリ」との関係
SEOやWeb広告の情報を調べていると、ブランドクエリという用語を目にすることがあります。 ブランドクエリは、店名・社名・ブランド名を含む検索キーワードを指す言葉で、指名検索とほぼ同じ意味で使われています。 海外発の情報では「branded query」「branded search」、それ以外の検索は「non-branded(ノンブランド)」と 表記されるのが一般的です。ツールや記事によって呼び方が変わるだけで、 本記事で扱う調べ方や増やし方は、そのままブランドクエリの分析・対策として読み替えられます。
指名検索が重要と言われる理由
理由1:来店・問い合わせに近い検索である傾向があるため。 指名検索をする人は、すでにそのお店やサービスに興味を持っているケースが多いと考えられます。 そのため一般検索と比べて、予約や問い合わせといった行動に近い検索である傾向があると言われています (業種や状況によって異なります)。
理由2:検索結果で比較にさらされにくいため。 店名で検索された場合、公式サイト・Googleビジネスプロフィール・SNSアカウントなど、 自店・自社に関する情報が検索結果の中心になりやすく、 多数の競合と横並びで比較される場面が相対的に少なくなります。
理由3:認知度のバロメーターになるため。 指名検索数の推移は、広告・SNS・店頭での取り組みが「名前を覚えてもらう」ところまで届いているかを 測る手がかりになります。こうした考え方から、名前で検索してもらうことを起点に集客を設計する 指名検索マーケティングという言葉も使われるようになっています。
指名検索が注目される背景——Cookie規制・広告費・AI検索
指名検索や指名検索マーケティングという言葉が近年よく語られるようになった背景として、 一般的に次の3つの変化が挙げられます。
背景1:プライバシー保護の流れ。 サードパーティCookieの利用制限に代表されるプライバシー保護の強化により、 ユーザーを追跡して広告を配信・計測する手法は、以前より制約を受けるようになったと言われています。 「広告で追いかけて思い出させる」ことが難しくなるほど、 「名前で思い出してもらえる」状態そのものの価値が相対的に高まる、という見方が広がっています。
背景2:Web広告費の上昇傾向。 リスティング広告をはじめとする運用型広告は、参加する広告主が増えるほどオークションの競争が働く仕組みのため、 人気のキーワードではクリック単価が上昇しやすいと言われています。 一般ワードの獲得競争だけに頼らず、名前で選ばれる動線をあわせて持つことが、 広告費の変動に左右されにくい集客につながるという考え方が注目されています。
背景3:AI検索の台頭。 検索結果の上部にAIによる要約が表示されたり、対話型AIに直接質問して調べたりする行動が広がりつつあります。 一覧の中から選ばれるのを待つだけでなく、名前を挙げて調べてもらえるかどうかが問われる場面が増えるという意味で、 「名前で選ばれる」ことの重要性が語られるようになっています (AI検索の仕様や表示は変化の途上にあり、今後も変わる可能性があります)。
指名検索数の調べ方
指名検索数そのものを正確に数えられる公開ツールはありませんが、次の4つの方法を組み合わせると、 おおよその規模と推移を把握できます。いずれも無料で始められます。 まず4つの方法の使い分けを表で整理し、続いてそれぞれの手順を解説します。
| 方法 | 主に分かること | 向いている場面 |
|---|---|---|
| Search Console | 店名クエリの表示回数・クリック数・CTR | 自社サイトがある場合の定点観測の主軸 |
| GA4 | 流入後の行動(予約・問い合わせなど) | 施策の手応えを行動まで追いたい場合 |
| Googleトレンド | 相対的な人気度の推移・他の語との比較 | 中長期の傾向や競合との比較を見たい場合 |
| サジェスト確認 | 検索候補への名前の現れ方 | ツールを使わない簡易チェック |
方法1:Google Search Consoleで店名を含むクエリを見る
自社サイトやホームページがある場合の、もっとも定番の方法です。 Google Search Consoleは、Googleが無料で提供している、検索結果でのサイトの見え方を確認できるツールで、 「どんな検索キーワード(クエリ)で何回表示・クリックされたか」を確認できます。
- Google Search Consoleにログインし、対象サイトのプロパティを選択する
- 左メニューの「検索パフォーマンス(検索結果)」を開く
- 画面上部の「+新規」から「検索キーワード」を選ぶ
- 「含むキーワード」に店名・社名を入力して絞り込む(まずは一番よく使われる表記で)
- 表示回数・クリック数の推移をグラフで確認し、月ごとに記録する
表示回数(インプレッション)は「店名で検索され、検索結果に自社サイトが表示された規模感」、 クリック数は「そこから実際にサイトへ来訪した数」の目安になります。 両者の比率であるCTR(クリック率)もあわせて見ると、店名で検索した人がきちんと自社サイトに たどり着けているかを確認できます。
店名は「たなか整体院」「タナカ整体院」「tanaka」のように、ひらがな・カタカナ・ローマ字で揺れて 検索されることがあります(店名は架空の例です)。フィルタで「カスタム(正規表現)」を選び、 「たなか整体院|タナカ整体院|tanaka」のように候補を縦棒(|)でつなぐと、 複数の表記ゆれをまとめて1つの条件で絞り込めます。 正規表現に不慣れな場合は、表記ごとに「含む」フィルタを切り替えて個別に確認しても構いません。
※Search Consoleのクエリレポートには、プライバシー保護などの理由で一部の検索キーワードが 表示されない場合があると公式ヘルプで案内されています。表示される数字は「把握できる範囲の目安」として捉えましょう。
方法2:GA4で指名検索経由の流入と行動を見る
GA4(Googleアナリティクス4)は、サイトに来た後の行動を分析する無料ツールです。 GA4単体ではどの検索キーワードで流入したかまでは分からないため、 指名検索の分析ではSearch Consoleとの連携が実質的な前提になります。
- GA4の「管理」画面を開き、サービス間のリンク設定からSearch Consoleとのリンクを作成する
- 「レポート」のライブラリでSearch Console関連のレポート(クエリなど)を公開状態にする
- クエリレポートで、店名を含む検索キーワードの表示回数・クリック数を確認する
また、連携とは別にできる簡易的な見方として、ランディングページ×参照元の組み合わせがあります。
- 「レポート」→「エンゲージメント」→「ランディングページ」を開く
- 表の「+」からセカンダリディメンションに「セッションの参照元/メディア」を追加する
- 「google / organic」などオーガニック検索から、トップページに着地したセッション数の推移を見る
店名で検索した人は公式サイトのトップページに着地することが多いため、 「オーガニック検索経由×トップページ」の流入は、指名検索経由のおおよその目安として使われることがあります (一般ワードでトップページに来るケースも含まれるため、あくまで参考値です)。 GA4の強みは、流入した人がその後に予約・問い合わせまで進んだかを追える点です。 指名検索経由の流入がどれだけ行動につながっているかまで見られると、施策の振り返りがしやすくなります。
方法3:Googleトレンドで推移と相対的な位置を見る
Googleトレンドは、キーワードの検索人気度の推移を無料で確認できるツールです。 アカウント登録なしで使えるため、自社サイトを持っていない場合でも試せます。
- Googleトレンドを開き、店名・サービス名を入力する
- 地域を「日本」または商圏の都道府県に絞り込む
- 期間を「過去12か月」や「過去5年」に設定して人気度の推移を見る
- 「+比較」に競合や近隣店の名前を入れて、相対的な位置を確認する
使ううえでのコツは3つあります。第一に、Googleトレンドの数値は検索量そのものではなく、 期間内のピークを100とした相対値だと理解しておくこと。 第二に、比較は「店名なら店名同士」のように同じ性質の語で行うこと。 第三に、地域の絞り込みを使って、全国の数値ではなく商圏に近い範囲の動向を見ることです。 検索量が少ない語は「データ不足」と表示されることがあります。その場合は、 Search Consoleの表示回数を主な指標にして、Googleトレンドは業種名などより検索量の大きな語の 動向確認に使い分けるのがおすすめです。
方法4:検索窓に入力して検索候補(サジェスト)を確認する
ツールを使わない手軽な方法として、GoogleやYahoo!の検索窓に実際に入力してみて、 検索候補(サジェスト)に自店・自社の名前が現れるかを見る方法があります。 検索候補は実際の検索動向などをもとに自動生成されるため、「地域名×業種」の候補に名前が出ているかどうかは、 指名検索の広がりを推し量る手がかりのひとつになります。
- ブラウザをシークレットモード(プライベートブラウズ)で開く
- 検索窓に「地域名+業種」(例:◯◯駅 エステ)や店名の最初の数文字を入力する
- 表示される検索候補に自店・自社の名前があるかを確認し、日付とあわせて記録する
どの方法で調べる場合も、「同じ条件で、月に1回、同じ表に記録する」のが基本です。 スプレッドシートに「年月/表示回数/クリック数/サジェストの状態/実施した施策」を並べておくと、 施策と数字の動きを見比べられる、シンプルで実用的な観測記録になります。
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指名検索を増やす方法(4分類・12施策)
指名検索を増やすことは、「名前を知って、覚えてもらう機会を増やす」こととほぼ同じ意味です。 やみくもに施策を並べるのではなく、ここでは接点の種類ごとに 「オフライン接点」「SNS」「Web上の露出」「広告」の4分類・計12施策に整理して紹介します。 すべてに取り組む必要はありません。自店のお客様との接点が多い分類から着手し、 少しずつ組み合わせを広げていくのがおすすめです。
分類1:オフライン接点——目の前のお客様に名前を持ち帰ってもらう
施策1:看板・店頭ツールに「◯◯で検索」の一言を入れる。 看板・ショップカード・名刺・レジ横のPOPなどに「◯◯(店名)で検索」と入れておくと、 その場で予約しなかった人が、後から名前で検索するきっかけになります。 検索はオンラインの行動ですが、その入口は店頭や紙媒体などオフラインにも多くあると言われています。 検索してほしい表記(ひらがなかカタカナかなど)をそろえて載せるのがポイントです。
施策2:チラシ・ポスティング・地域イベントで名前の接触回数を増やす。 商圏内に配るチラシやポスティング、地域の催事への出店は、その場での反応がなくても 「名前を見たことがある」という記憶を積み上げる接点になります。 紙面には店名を大きく載せ、「◯◯で検索」の一言やQRコードを添えて、 後から検索して思い出してもらえる導線をつくっておきましょう。
施策3:接客のひとことと紹介カードで名前を話題にしてもらう。 お会計時の「次回のご予約は◯◯で検索いただくと便利です」というひとことや、 お連れ様用の紹介カードは、人づてに名前が広がる起点になります。 友人から名前を聞いた人がその名前を検索する——これは指名検索が生まれる典型的な流れのひとつです。 口頭で伝わることを想定して、読み方が伝わりやすい案内を心がけると効果的です。
分類2:SNS——発信の積み重ねで名前を覚えてもらう
施策4:プロフィール・投稿の名前表記を統一する。 Instagram・X・TikTokなどのアカウント名やプロフィールに、検索してほしい店名の表記を統一して載せ、 投稿にも「◯◯(店名)で検索」と添えて、名前で検索する導線を意識しましょう。 アカウント名と実際の店名が食い違っていると、投稿を見た人が検索でたどり着けないことがあります。
施策5:発信を継続して反復接触をつくる。 名前は一度見ただけで覚えてもらえるとは限りません。投稿の積み重ねによって 「このジャンルといえばこの名前」という結びつきが少しずつできていくと考えられています。 投稿内容と店名がセットで記憶されると、後日の指名検索につながることが期待できます。 投稿頻度の多さを競うより、無理なく続けられるペースを決めて継続することが大切です。
施策6:お客様の投稿・口コミ(UGC)を後押しする。 お客様自身のSNS投稿や口コミサイトへの感想は、第三者の声として名前が広がる貴重な接点です。 写真を撮りたくなる場所やメニュー名の工夫、投稿時に使ってほしいハッシュタグの案内など、 投稿していただきやすい環境を整えましょう。なお、投稿の対価の扱いなどは 各プラットフォームの規約や関連ガイドラインに沿って行う必要があります。
分類3:Web上の露出——検索された時の受け皿と接点を増やす
施策7:Googleビジネスプロフィールを整える。 Googleビジネスプロフィール(MEO対策の土台)は、店名で検索されたときに表示される、指名検索の受け皿です。 営業時間・写真・メニュー・住所などの基本情報を最新に保ち、 名前で調べてくれた人が迷わず来店・予約に進める状態を整えておきましょう。 受け皿が整っていないと、せっかくの指名検索が来店につながりにくくなります。
施策8:公式サイトに「名前+知りたいこと」へ答えるページを用意する。 部分指名で調べられやすい「料金」「アクセス」「よくある質問」などの情報を、 公式サイト内の分かりやすい場所に用意しておきましょう。 検索した人の疑問にサイトがきちんと答えられる状態は、指名検索を来店や問い合わせにつなげる土台になります。 あわせてブログやコラムで専門分野の情報を発信しておくと、名前で検索されたときの情報の厚みが増します。
施策9:ポータルサイト・地域メディアなど第三者経由の露出を増やす。 業種別のポータルサイトへの掲載、地域メディアやフリーペーパーの取材、地域ブログでの紹介など、 自社以外の場所で名前が言及される機会を増やすのも有効な方向性です。 「別の場所で名前を見かけて検索してみる」という流れをつくれます。 掲載条件や費用は媒体によって大きく異なるため、事前の確認が必要です。
分類4:広告——名前との接点を意図的につくる
施策10:リスティング広告で最初の接点をつくる。 「地域名×業種」などの一般ワードでリスティング広告を出稿すると、 まだ名前を知らない人に店名を見てもらう最初の接点になります。 その場で予約に至らなくても、名前を見た人が後日改めて指名検索する流れが期待されるという考え方です。 クリック課金型のため、費用はキーワードの競争状況によって変動します。
施策11:SNS広告・ディスプレイ広告で商圏に反復表示する。 エリアを指定して配信できるSNS広告やディスプレイ広告は、商圏内の人に名前とビジュアルを 繰り返し届ける使い方ができます。すぐの反応を求めるより、 認知の積み上げを目的に置いた運用が指名検索の観点では相性が良いと言われています。 配信設定や費用感は媒体ごとに異なるため、小さく試して調整するのが現実的です。
施策12:サジェスト広告で検索候補との接点をつくる。 サジェスト広告は、GoogleやYahoo!などの検索窓に表示される検索候補で名前に触れる機会をつくり、 指名検索や来店候補への定着を図る施策です。「地域名×業種」で調べた人が 検索候補で店名を目にする状態を目指すもので、認知度向上や反復的なブランド接触への貢献が期待されています。 仕組みや費用の詳細は、別記事「サジェスト広告とは?仕組み・費用・やり方からデメリットまで解説」で 解説しています。当サイトを運営するAdnymousのサービス内容はサービス紹介もご覧ください。
※各施策の効果の現れ方は、業種・商圏・実施内容によって異なります。特定の施策の成果を保証するものではありません。
指名検索を計測する時の注意点
指名検索数は便利な指標ですが、数え方を誤ると「増えた・減った」の判断そのものがずれてしまいます。 計測を始める前に、次の4点を押さえておきましょう。
表記ゆれ(ひらがな・カタカナ・ローマ字)を拾い漏らさない
同じお店でも、検索する人によって「たなか整体院」「タナカ整体院」「tanaka」「田中整体」のように 入力はさまざまに揺れます(店名は架空の例です)。一つの表記だけで絞り込むと、 実際より少なく数えてしまうことがあります。Search Consoleでは前述の正規表現フィルタで主要な表記をまとめ、 サジェスト確認も表記ごとに試すようにしましょう。どの表記を集計対象にしたかをメモしておくと、 翌月以降も同じ条件で比較できます。
同名・類似名の他店と混同しない
Googleトレンドやサジェストは世の中全体の検索動向を反映するため、 同じ名前の他地域・他業種のお店や、一般名詞と重なる店名の場合は、自店以外の検索が混ざることがあります。 「地域名+店名」で確認する、Search Console(自社サイトの表示実績に基づくため混同が起きにくい)を 主軸にするなどの工夫で、自店に関する検索に近づけて観測しましょう。 一般名詞とまったく同じ店名は、特にこの影響を受けやすい点に注意が必要です。
季節変動・話題化の影響を切り分ける
多くの業種には繁忙期・閑散期があり、指名検索数もそれに連動して波打つことがあります。 また、テレビやSNSで一時的に話題になった場合、その月だけ数字が跳ねることもあります。 単月の増減だけで施策の良し悪しを判断せず、前年同月との比較や、 キャンペーン・話題化があった時期のメモとあわせて読むと、実態に近い判断がしやすくなります。
計測期間は「月次で6か月以上」を目安に長めにとる
指名検索数は日次・週次で見ると偶然のぶれが大きく、傾向を読み違えやすくなります。 月次で集計し、少なくとも6か月から1年程度の推移を並べて傾向を見るのが目安とされています。 施策を始める前の数値(ベースライン)を残しておき、「いつ・何を始めたか」を記録と並べておくと、 後から取り組みを振り返るときの手がかりになります。
よくある誤解と実際
指名検索については、もっともらしく語られがちな思い込みがいくつかあります。 代表的な5つを取り上げ、一般的に言われている実際のところと並べて整理します。
誤解1:「指名検索は大手ブランドだけのもの」
指名検索の絶対数が大きいのは確かに知名度の高い企業ですが、指標としての意味は規模に関係ありません。 商圏が限られた個人店でも、「地域で名前を思い出してもらえているか」を測る手がかりとして機能します。 大切なのは他社との絶対数の比較ではなく、自店の過去との比較です。 小さな数字でも、取り組みの前後で推移を見れば変化の手がかりになります。
誤解2:「SNSのフォロワーが多ければ指名検索も多い」
フォロワー数と指名検索数は、常に比例するとは限らないと言われています。 フォローはしていても店名を覚えていない、投稿は見るが検索までは至らない、といったケースがあるためです。 逆にフォロワーが少なくても、店頭や口コミで名前が浸透していれば指名検索は発生します。 フォロワー数はSNS上の接点の量、指名検索数は「名前を思い出して行動した量」と、 別の側面を映す指標として使い分けるのが実態に合っています。
誤解3:「指名検索が増えれば検索順位も上がる」
指名検索数が検索順位を直接決める要素だという公式情報はありません。 指名検索が増えている状態は、サイト訪問や名前の言及の増加などと重なる傾向があるため、 間接的に良い影響を期待する考え方はありますが、断定はできません。 順位対策の代わりとしてではなく、まずは認知度を映す指標として扱うのが現実的です。
誤解4:「指名検索は自然に増えるのを待つしかない」
指名検索そのものを直接操作することはできませんが、その手前にある「名前との接点」は設計できます。 本記事で紹介したように、店頭ツールへの「◯◯で検索」の一言、SNSでの表記統一、 第三者メディアでの露出、広告による反復接触など、働きかけられる余地は多くあります。 受け身で待つ指標ではなく、施策の成果を映す指標として捉えると活用の幅が広がります。
誤解5:「SEO対策をしていれば指名検索対策は不要」
SEO対策は主に一般検索で見つけてもらうための取り組み、指名検索対策は名前を覚えて思い出してもらうための 取り組みで、役割が異なります。一般検索で出会った人が名前を覚え、後日指名検索で戻ってくる—— というように、両者は連続した流れの中にあります。どちらか一方ではなく、 「見つけてもらう施策」と「覚えてもらう施策」を両輪で考えるのが自然な整理です。
用語ミニ解説
本記事に登場した用語と、指名検索の話題でよく使われる関連用語をまとめました。 社内での共有や、ツールの画面を読むときの参照にお使いください。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 指名検索(ブランド検索) | 店名・社名・サービス名など固有の名前で行われる検索。名前を知っている人にしかできない検索。 |
| 一般検索(非指名検索) | 「渋谷 ネイルサロン」のように業種・地域・悩みなどの語で行われる検索。比較検討の途中で使われやすい。 |
| ブランドクエリ | 店名・ブランド名を含む検索キーワードを指す用語。指名検索とほぼ同義で、海外情報では branded query と表記される。 |
| 指名検索マーケティング | 名前で検索してもらうことを起点に集客を設計する考え方。認知づくりと受け皿整備を組み合わせて進める。 |
| オーガニック検索 | 広告枠ではない自然な検索結果からの流入。ツール上では organic と表記される。 |
| インプレッション(表示回数) | 検索結果に自社サイトが表示された回数。Search Consoleでは指名検索の規模感を測る目安になる。 |
| CTR(クリック率) | 表示回数のうちクリックされた割合。店名検索から自社サイトへ到達できているかの確認に使う。 |
| サジェスト(検索候補) | 検索窓に文字を入力した際に表示される入力候補。実際の検索動向などをもとに自動生成される。 |
| Google Search Console | Googleが無料提供する、検索結果でのサイトの表示状況(クエリ・表示回数・クリック数など)を確認できるツール。 |
| GA4(Googleアナリティクス4) | サイト訪問後の行動を分析する無料ツール。Search Consoleと連携するとクエリ別データも確認できる。 |
| Googleトレンド | キーワードの検索人気度の推移を相対値(ピーク=100)で確認できる無料ツール。地域や期間で絞り込める。 |
取り組むときの注意点
効果が見えるまでは中長期を想定する
指名検索は認知の積み上げの結果として増えていくものなので、施策を始めてすぐに 数字が動くとは限りません。数か月から年単位の中長期で推移を見る前提でいると、 短期の増減に一喜一憂せずに取り組みを続けられます。
先に計測環境を整えてから施策を始める
施策より先にSearch ConsoleとGA4を設定し、開始前の指名検索数を記録しておきましょう。 開始前の数値(ベースライン)がないと、あとから施策の手応えを振り返れなくなります。 「計測を整える→現状を記録する→施策を始める」の順番がおすすめです。
「検索しやすい名前」かどうかも見直す
読み方が分かりにくい店名や、一般名詞とまったく同じ名前は、検索されにくかったり、 検索結果で他の情報に埋もれたりすることがあります。屋号の変更が難しい場合でも、 「地域名+店名」で案内するなど、検索してもらいやすい名前の伝え方を決めておくと安心です。
よくある質問
指名検索と一般検索の違いは何ですか?
指名検索数はどうやって調べればよいですか?
指名検索を増やすにはどのくらいの期間がかかりますか?
ブランドクエリとは何ですか?指名検索と同じ意味ですか?
Search Consoleで店名の表記ゆれをまとめて調べる方法はありますか?
個人店や小さなお店でも指名検索を増やす取り組みは意味がありますか?
指名検索が増えるとSEOにも有利になりますか?
GA4だけで指名検索数は分かりますか?
Googleトレンドで自分の店名を入れても結果が表示されないのはなぜですか?
まとめ
指名検索とは、店名・社名・サービス名といった固有の名前で行われる検索のことです。 すでに興味を持つ人による検索である傾向から、集客の質と認知度を測る指標として注目されており、 Cookie規制・広告費の上昇傾向・AI検索の広がりといった環境変化の中で、その重要性が語られる場面も増えています。 まずはSearch Console・GA4・Googleトレンド・サジェスト確認で現在の指名検索数を把握し、 表記ゆれや季節変動に注意しながら月次で定点観測を続けましょう。 そのうえで、オフライン接点・SNS・Web上の露出・広告の4分類から自店に合う施策を組み合わせて、 名前で検索される機会を少しずつ増やしていくのが着実な進め方です。
まずは15分、オンラインでご説明します。
仕組みと試算の考え方を、貴店・貴社の数値に合わせてご説明します。 ご検討中の検索語があれば、実施の可否や条件もその場でお答えします。
15分の相談を申し込む※月額2万円から。費用は実施条件によって変わります。


