広告費削減の基礎知識——「減らす」より先に「ムダを見つける」
「広告費を削減したい」と考えたとき、多くの事業者がまず思い浮かべるのは、出稿している媒体の数を減らしたり、 月の予算を一律で何割か削ったりする方法です。ただ、一律の削減は手軽な反面、成果を生んでいた広告まで一緒に止めてしまい、 翌月以降の問い合わせや来店が落ち込む、という結果を招くことがあります。広告費の削減方法を考えるうえで大切なのは、 「いくら減らすか」より先に「どこにムダがあるか」を見つけるという順番です。
広告費のムダとは、単に「金額が大きい広告」のことではありません。月10万円かけていても、そこから安定して新規のお客様が来ているなら、 それはムダではなく投資です。反対に、月1万円の掲載料でも、半年間一件も反応がない媒体があれば、それは見直しの対象になります。 つまり、広告費の削減とは「支出の総額を下げる作業」ではなく、「支出と成果の対応関係を明らかにして、成果につながっていない部分を整理する作業」だと捉えるのが出発点です。
この記事では、店舗ビジネスや小規模なサービス事業者を想定して、広告費の内訳の整理から、費用対効果の測り方、 具体的な見直し手順、媒体別のムダの見つけ方、広告予算の決め方、業種別の観点、よくある誤解までを順に解説します。 費用相場そのものを知りたい方は、リスティング広告・SEO対策・MEO対策の費用相場と広告費を抑える考え方もあわせてご覧ください。
広告費の内訳を4つに分けて考える
「広告費」とひとまとめに呼んでいるものの中には、性質の違う費用が混ざっています。削減を検討する前に、まずは次の4つに分けて把握しておくと、 どこに手を入れるべきかが見えやすくなります。
- 媒体費(掲載費・出稿費) —— 検索広告のクリック課金、SNS広告の配信費、ポータルサイトや予約サイトの掲載料、チラシの印刷・配布費など、媒体そのものに支払う費用
- 運用手数料 —— 広告代理店や運用代行会社に支払う管理費。媒体費の一定割合(20%前後が一般的な目安とされています)や月額固定で設定されることが多い費用
- 制作費 —— バナー・動画・チラシ・ランディングページ(LP)などの制作費用。初期にまとまってかかるものと、差し替えのたびに発生するものがあります
- ツール・システム費 —— 予約システム、顧客管理、分析ツール、MEO管理ツールなど、広告運用を支える月額の利用料
この分類をしておくと、「媒体費は妥当だが運用手数料の割合が高い」「制作費を毎月払っているが、実際の差し替えはほとんどない」 「使っていないツールの契約が残っている」など、媒体の成果とは別の次元にあるムダが見えてきます。 とくに小規模事業者の場合、ツール費や固定の管理費は金額が小さいぶん見過ごされやすく、年間で合算すると意外な金額になっていることがあります。
広告費のムダは3つのタイプに分かれる
見直しの現場で見つかるムダは、おおむね次の3タイプに整理できます。どのタイプかによって、対処の仕方も変わります。
- 成果が測れていないムダ —— その広告から何件の問い合わせ・来店があったかを把握していない状態。ムダかどうかの判断すらできないため、まずは計測の仕組みを整えることが先決です
- 成果に対して高すぎるムダ —— 成果は出ているものの、1件あたりの獲得費用が利益に見合っていない状態。入札額・配信対象・掲載プランの調整で改善を図ります
- 重複しているムダ —— 同じお客様に対して、複数の媒体から何度も費用を払っている状態。たとえば、すでに店名を知っているお客様が店名で検索し、自店の検索広告をクリックして来店するケースなどがこれにあたります
3つめの「重複」は気づきにくいムダです。どの広告も単体で見れば成果を報告しているのに、全体で見ると同じお客様を取り合っている、ということが起こります。 後半の「見直し手順」では、この重複を見つける方法も紹介します。
削ってはいけない広告費もある
広告費の削減を進めるときに注意したいのが、「すぐに成果が見えないから」という理由だけで止めてしまうと、あとから困る費用があることです。 代表的なのは、認知を積み上げるための費用と、既存のお客様との関係を保つための費用です。
たとえば、地域での店名の認知を広げる取り組みは、今月の予約数にはほとんど反映されなくても、半年後に「名前を知っていたから検索した」という お客様の土台になっていることがあります。また、既存のお客様向けのLINE配信やリピート施策の費用を削ると、新規獲得にかける費用が増えて、 結果的に全体の広告費が膨らむこともあります。リピート施策の考え方はリピート率を上げる方法の記事で詳しく扱っています。 削減対象を決める前に、「この費用は短期の獲得用か、中長期の土台づくり用か」を区別しておくことが大切です。
広告の費用対効果を測る指標——CPA・ROAS・LTV
ムダを見つけるには、広告ごとの費用対効果を同じ物差しで比べる必要があります。ここでは、店舗ビジネスで使いやすい指標を、 計算方法とあわせて整理します。指標の基本は広告の費用対効果の考え方——CPA・LTVを初心者向けに解説でも解説していますので、 初めての方はそちらも参考にしてください。
CPA(新規顧客獲得コスト)
CPAは「Cost Per Acquisition」の略で、1件の成果を得るのにかかった費用を指します。店舗ビジネスでは、成果を「新規のお客様1人の来店」や 「問い合わせ1件」と置くことが多く、その場合は新規顧客獲得コストとほぼ同じ意味になります。計算式は次のとおりです。
FORMULA
CPA(新規顧客獲得コスト)= 広告費 ÷ 新規顧客数
例:ある月の広告費が10万円で、その広告経由の新規来店が20人なら、CPAは5,000円(架空の例)
CPAを媒体ごとに出してみると、「総額は小さいがCPAが高い媒体」「総額は大きいがCPAは低い媒体」といった違いが見えてきます。 広告費の削減を考えるときは、総額ではなくCPAの高い順に見直しの優先度をつけるのが基本的な考え方です。 ただし、成果件数が数件しかない媒体は、1件の増減でCPAが大きくぶれます。少なくとも数か月分のデータで判断するようにしましょう。
ROAS(広告費用対効果)
ROASは「Return On Advertising Spend」の略で、広告費1円あたりでどれだけの売上を得たかを示す指標です。 「広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100(%)」で計算します。たとえば、広告費5万円で広告経由の売上が20万円なら、ROASは400%です。 客単価の異なるメニューを扱う店舗では、CPAだけでなくROASも見ることで、「件数は少ないが高単価のお客様を連れてくる媒体」を正しく評価できます。
LTV(顧客生涯価値)
LTVは「Life Time Value」の略で、1人のお客様が取引を続ける期間全体でもたらす売上(または利益)の合計を指します。 簡易的には「平均客単価 × 平均来店回数」で見積もることができます。美容室やパーソナルジムのように継続利用が前提の業種では、 初回の売上だけで広告の良し悪しを判断すると、本来は優秀な媒体を「割に合わない」と誤って止めてしまうおそれがあります。
たとえば、初回売上が6,000円でCPAが8,000円の媒体は、初回だけを見れば赤字です。しかし、その媒体から来たお客様が平均5回通うなら、 LTVは3万円になり、CPA8,000円は十分に回収できる水準かもしれません(数値はいずれも架空の例です)。 反対に、初回の割引目当てで一度きりのお客様が多い媒体は、CPAが低く見えてもLTVが伸びず、実質的な費用対効果は低いことがあります。
許容CPA(限界CPA)を決めておく
「CPAがいくらなら許容できるか」をあらかじめ決めておくと、見直しの判断が速くなります。一般的には、 LTV × 粗利率が「これ以上かけると赤字になる上限」の目安とされ、限界CPAと呼ばれます。 実際の運用では、その上限から確保したい利益を差し引いた額を「目標CPA」として設定するのが一般的です。
| 項目 | 計算 | 例 |
|---|---|---|
| 平均客単価 | 売上 ÷ 来店回数 | 8,000円 |
| 平均来店回数 | 新規客の継続来店回数の平均 | 4回 |
| LTV(売上ベース) | 客単価 × 来店回数 | 32,000円 |
| 粗利率 | (売上-原価)÷ 売上 | 60% |
| 限界CPA | LTV × 粗利率 | 19,200円 |
| 目標CPA | 限界CPA から確保したい利益を差し引く | 例:10,000円前後 |
※表の数値はすべて説明のための架空の例です。実際の許容CPAは、業種・客単価・原価・固定費の状況によって大きく異なります。
目標CPAを決めておけば、「目標を大きく上回っている媒体は改善か停止を検討」「目標を下回っている媒体は維持、余力があれば増額を検討」 というように、感覚ではなく基準に沿って広告費を配分できるようになります。
指名検索数も「間接的な成果」として見る
CPAやROASは、広告をクリックしたり、クーポンを使ったりして「どの広告から来たか」がわかるお客様しか数えられません。 しかし実際には、チラシや看板、SNSの投稿、口コミなどで店名を知り、あとから店名で検索して来店するお客様も多くいます。 こうした行動は、指名検索(店名やサービス名を直接入力する検索)の数として表れます。
広告費を削減した月に指名検索数が大きく落ちていれば、止めた広告が「名前を知ってもらう役割」を担っていた可能性があります。 指名検索数は、Google Search Consoleで自店名を含む検索語の表示回数を見ることで、おおよその推移をつかめます。 調べ方は指名検索とは?調べ方と増やし方をわかりやすく解説で詳しく紹介しています。 直接の成果指標と、指名検索数のような間接的な指標をセットで見ることが、削りすぎを防ぐポイントです。
広告費を削減する方法——ムダを見つける見直し手順7ステップ
ここからは、実際に広告費を見直すときの手順を7つのステップで紹介します。一度にすべてを行う必要はありません。 まずは1〜3のステップで現状を「見える化」するだけでも、削減の候補はかなり絞り込めます。
- 広告費の棚卸しをする —— 直近6〜12か月分の請求書・利用明細を集め、媒体・手数料・制作費・ツール費に分けて一覧にする
- 成果の計測方法をそろえる —— 媒体ごとに「何をもって成果とするか」を決め、計測できていない媒体を洗い出す
- 媒体ごとのCPA・ROASを算出する —— 棚卸しした費用と成果件数を突き合わせ、同じ物差しで比較できる表をつくる
- 重複と取りこぼしを確認する —— 同じお客様に複数の媒体から費用を払っていないか、来店経路のアンケートなどで確かめる
- 削減・改善・維持・増額に仕分ける —— 目標CPAとの比較と、媒体の役割(短期獲得か中長期の認知か)をふまえて4つに分類する
- 一度に止めず、段階的に変更する —— 変更は1〜2媒体ずつ、期間を区切って行い、前後の数値を比べる
- 定点観測の仕組みをつくる —— 毎月同じ指標を記録し、四半期ごとに配分を見直すサイクルにする
ステップ1:広告費の棚卸しをする
最初に行うのは、今どこにいくら払っているかの全体像をつかむことです。経理の仕訳では「広告宣伝費」にまとめられていても、 中身を見ると、検索広告、SNS広告、ポータルサイトの掲載料、チラシの印刷費、代理店の手数料、ツールの月額料金などが混ざっています。 直近6〜12か月分の請求書やクレジットカードの明細を集め、媒体ごとに月別の金額を一覧にしてみましょう。
棚卸しの段階でよく見つかるのが、自動更新で続いている契約です。開業時に勧められて加入した掲載プランや、 試しに導入したツールが、使われないまま毎月引き落とされていることは珍しくありません。契約の更新日・解約条件・最低契約期間もあわせて書き出しておくと、 後のステップで「いつ止められるか」を判断しやすくなります。
ステップ2:成果の計測方法をそろえる
次に、媒体ごとに「何を成果とみなすか」を決めます。予約の完了、電話の問い合わせ、フォーム送信、クーポンの利用、初回来店など、 業種によって適した成果は異なりますが、できるだけ全媒体で同じ定義にそろえることが大切です。 媒体によって成果の定義がばらばらだと、CPAを比べても意味のある比較になりません。
計測の方法としては、媒体ごとに専用のクーポンコードを用意する、予約フォームに「何で知りましたか」の選択肢を設ける、 媒体別に電話番号やURLのパラメータを分ける、といった手段があります。 Webサイトへの流入はGA4(Googleのアクセス解析ツール)で参照元ごとに確認できます。 ここで「成果がまったく計測できていない媒体」が見つかったら、それは削減候補というより、まず計測を整えるべき対象です。
ステップ3:媒体ごとのCPA・ROASを算出する
棚卸しした費用(媒体費+手数料+その媒体のための制作費)を、ステップ2で数えた成果件数で割って、媒体ごとのCPAを出します。 売上まで追える場合はROASもあわせて算出します。ポイントは、手数料や制作費も媒体ごとに按分して含めることです。 媒体費だけで計算すると、運用手数料が上乗せされている媒体のCPAが実態より低く見えてしまいます。
算出した結果は、媒体名・月額費用・成果件数・CPA・ROAS・役割(獲得/認知/リピート)を列にした一枚の表にまとめておくと、 社内やスタッフとの共有にも使えます。この表が、以降の判断の土台になります。
ステップ4:重複と取りこぼしを確認する
媒体ごとの数字がそろったら、全体を合計してみましょう。各媒体が報告する成果件数の合計が、実際の新規来店数より明らかに多い場合、 同じお客様が複数の媒体で「成果」として数えられている可能性があります。たとえば、Instagramで店を知ったお客様が、 後日ポータルサイトのクーポンを使って予約すれば、両方の媒体が自分の成果として報告することがあります。
重複を確かめるには、初回来店時のアンケートで「最初に知ったきっかけ」と「予約に使った手段」を分けて聞く方法が実用的です。 「知ったきっかけ」と「予約手段」が違う媒体の組み合わせが多ければ、片方は認知、もう片方は予約の受け皿という役割分担になっていることがわかります。 予約の受け皿だけに大きな費用をかけている場合は、受け皿を自社の予約ページや無料のツールに置き換えられないかを検討する余地があります。
ステップ5:削減・改善・維持・増額に仕分ける
ここまでのデータをもとに、各媒体を4つに仕分けます。判断の目安は次のとおりです。
| 区分 | 状態の目安 | 主な対応 |
|---|---|---|
| 削減・停止 | 数か月続けても成果がほぼなく、認知などの役割も確認できない | 契約更新のタイミングで停止、または最小プランへ変更 |
| 改善 | 成果は出ているが、CPAが目標を大きく上回っている | 配信対象・キーワード・掲載プラン・クリエイティブの見直し |
| 維持 | CPAが目標の範囲内で安定している | 現状維持しつつ、毎月の数値を記録 |
| 増額検討 | CPAが目標を下回り、予算の上限で配信が止まっている | 小さく増額して、CPAが悪化しないかを確認 |
※区分は一般的な考え方の目安です。媒体の役割や契約条件によって適切な判断は異なります。
仕分けの際に忘れたくないのが、認知を担う媒体は直接のCPAだけで判断しないという点です。 直接の成果は少なくても、指名検索数や「知ったきっかけ」アンケートで名前が挙がる媒体は、削減ではなく「改善」や「維持」に分類したほうがよい場合があります。
ステップ6:一度に止めず、段階的に変更する
仕分けが終わると、つい複数の媒体を一斉に止めたくなります。しかし、同時にいくつも変更すると、翌月に問い合わせが減ったとき 「どの変更が原因だったのか」がわからなくなります。変更は1〜2媒体ずつ行い、少なくとも1か月、できれば2〜3か月は前後の数値を比べる期間を設けましょう。
また、季節による変動も考慮が必要です。繁忙期の前に広告費を削ると、本来取れたはずの需要を逃すことがあります。 前年同月の数値と比べられるようにしておくと、季節要因と変更の影響を切り分けやすくなります。
ステップ7:定点観測の仕組みをつくる
広告費の見直しは、一度やれば終わりではありません。媒体の料金体系や競合の出稿状況、お客様の探し方は少しずつ変わっていきます。 毎月、媒体別の費用・成果件数・CPA・指名検索数・新規来店数を同じフォーマットで記録し、四半期に一度は配分を見直す、 というサイクルをつくっておくと、ムダが大きく膨らむ前に気づけるようになります。
記録に使う表は、凝ったものである必要はありません。スプレッドシートに月ごとの行を足していくだけでも十分です。 大切なのは、毎月同じ指標を同じ方法で記録し続けることです。
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媒体別・広告費のムダの見つけ方
見直し手順の考え方は共通ですが、ムダが生まれやすいポイントは媒体ごとに異なります。ここでは、店舗ビジネスでよく使われる媒体ごとに、 確認したい項目を整理します。
リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告は、検索された語句に連動して検索結果ページに表示され、クリックごとに費用が発生する広告です。 ムダが生まれやすいのは、意図しない検索語でクリックされているケースです。たとえば「ネイル やり方」「美容室 求人」のように、 来店につながりにくい検索語で広告が表示・クリックされていることがあります。管理画面の「検索語句レポート」を定期的に確認し、 関係のない語句を除外キーワードに設定するのが基本的な対策です。
また、自店名での検索に広告を出している場合は、その費用が本当に必要かを考える余地があります。 自店名で検索した人は、広告がなくても自然検索の結果から公式サイトにたどり着く可能性が高いためです。 ただし、競合店が自店名で広告を出している場合などは、守りの意味で出稿を続ける判断もありえます。止めるかどうかは、 短期間だけ停止して自然検索からの流入がどう変わるかを確認してから決めると安心です。 配信地域・時間帯・デバイスの設定が、商圏や営業時間と合っているかも確認しておきましょう。 仕組みの基本はリスティング広告の基礎の記事も参考になります。
SNS広告(Instagram・Facebook・LINEなど)
SNS広告は、年齢・地域・興味関心などで配信対象を絞り込めるのが特徴です。ムダが生まれやすいのは、 配信対象が広すぎる、または同じ人に何度も配信されすぎているケースです。 管理画面で「フリークエンシー(1人あたりの平均表示回数)」が高くなりすぎていないか、 商圏外の地域に配信されていないかを確認しましょう。
もう一つの注意点は、「いいね」やフォロワー数、動画の再生数など、来店とは直接結びつかない指標だけで成果を判断していないかという点です。 これらは認知の目安にはなりますが、広告費の判断材料にするなら、プロフィールへのアクセス、予約ページへの遷移、 クーポンの利用数など、来店に近い行動もあわせて追うことが大切です。 少額で始める方法はSNS広告を少額で始める方法で紹介しています。
ポータルサイト・予約サイト・クーポンサイト
業種別のポータルサイトや予約サイトは、多くのユーザーが集まる場所に掲載できる一方で、掲載プランによって月額費用が大きく変わります。 確認したいのは、上位プランの費用差に見合った予約の差が出ているかです。プランを一段下げた場合の予約数の変化を、 過去のデータや短期間の試行で確かめる方法があります。
また、ポータルサイト経由のお客様が、2回目以降もポータルサイト経由で予約していると、リピートのたびに手数料が発生する料金体系では、 既存のお客様にも費用を払い続けることになります。2回目以降は自社の予約ページやLINEからの予約に誘導できているかを確認すると、 ムダを減らせる可能性があります。クーポン依存の課題はクーポンサイトとの付き合い方でも取り上げています。
チラシ・ポスティング・フリーペーパー
紙媒体は、配布エリアや部数を細かく調整できる反面、効果の計測が難しい媒体です。ムダを見つけるには、 配布エリアごとに異なるクーポンコードや番号を記載して反応を比べる方法が有効です。 反応の薄いエリアへの配布を減らし、反応の良いエリアに集中させるだけでも、同じ費用で得られる反応の改善が期待できます。
ただし、紙媒体はクーポンを使わずに「店名を覚えておいて後で検索する」という行動を生むこともあります。 配布した時期の前後で指名検索数がどう変わったかもあわせて見ておくと、クーポン利用数だけでは見えない役割を評価できます。 配布の進め方はチラシ・ポスティングの集客の記事も参考にしてください。
MEO対策・SEO対策の外注費
MEO対策(地図検索での露出改善)やSEO対策(検索結果での上位表示を目指す施策)を外部に委託している場合は、 毎月の作業内容と報告の中身が費用に見合っているかを確認します。順位のレポートだけが届き、 実際に何の作業をしているのかがわからない契約は、見直しの候補です。
Googleビジネスプロフィールの基本情報の整備や写真の更新、口コミへの返信などは、手順さえわかれば自店で対応できる作業も多くあります。 自社で担える部分と、専門的な知見が必要な部分を切り分けたうえで、外注の範囲を調整するのも一つの考え方です。 自分でできる範囲はMEO対策の基礎や自分でできるSEO対策にまとめています。
代理店・集客代行の手数料
広告運用を代理店に任せている場合は、手数料の計算方法と報告の透明性を確認しましょう。 媒体費に対する一定割合の手数料は、広告費を増やすほど手数料も増える構造です。月額固定や成果連動など、ほかの料金体系と比べてどうかを検討する余地があります。 また、広告アカウントの所有者が自社になっているか、管理画面を自社でも閲覧できるかは、将来の乗り換えやデータの引き継ぎに関わる重要な点です。 代行会社の選び方は集客代行の選び方の記事で詳しく解説しています。
広告予算の決め方——削減後の「適正額」をどう考えるか
ムダを削った後に残る問題は、「では、いくらが適正な広告予算なのか」です。広告予算の決め方にはいくつかの考え方があり、 どれか一つが正解というわけではありません。ここでは代表的な3つの考え方を紹介し、組み合わせ方を整理します。
考え方1:売上に対する比率で決める
もっともシンプルなのは、売上(または売上目標)の一定割合を広告予算にあてる方法です。 業種や事業の段階によって差はありますが、店舗ビジネスでは売上の数%〜10%程度が一つの目安とされることが多いようです。 この方法は計算が簡単で、売上が落ちたときに広告費も自然に抑えられるのが利点です。 一方で、売上が落ちているときこそ新規のお客様を増やしたい、という場面では、比率だけで決めると打ち手が細ってしまう面もあります。
考え方2:目標の新規顧客数と目標CPAから逆算する
より根拠のある決め方が、「何人の新規のお客様を獲得したいか」と「1人あたりいくらまでかけられるか」から逆算する方法です。
FORMULA
広告予算 = 目標の新規顧客数 × 目標CPA
例:月に新規15人を目標とし、目標CPAが8,000円なら、獲得用の広告予算は12万円が目安(架空の例)
目標の新規顧客数は、「離反によって毎月減るお客様の数」を補える人数を下限に考えるとよいでしょう。 たとえば、毎月10人程度のお客様が来なくなっているなら、少なくとも10人以上の新規獲得が必要になります。 この逆算の考え方を使うと、広告費を「なんとなく毎月この金額」ではなく、事業の目標と結びついた数字として説明できるようになります。
考え方3:役割ごとに配分を決める
予算の総額が決まったら、役割ごとに配分します。たとえば、「今月の予約を増やすための獲得用」「名前を知ってもらうための認知用」 「既存のお客様に再来店してもらうためのリピート用」の3つに分け、それぞれに割合を決める方法です。 配分の割合に決まった正解はありませんが、獲得用だけに偏ると、獲得単価が上がりやすくなるとも言われます。 店名を知っている人が増えれば、比較検討の段階で選ばれやすくなり、獲得用の広告に頼る割合を下げられる可能性があるためです。
また、新規開業から間もない時期と、地域である程度名前が知られている時期とでは、適した配分が異なります。 開業直後は認知用の比重が高くなりやすく、認知が積み上がってくるにつれて、獲得用・リピート用の比重を調整していく、 という考え方が一般的です。
予算を決めたら「上限」と「見直し時期」もセットで決める
広告予算は、金額だけでなく「どの数値になったら見直すか」をあらかじめ決めておくと、運用がぶれにくくなります。 たとえば、「媒体のCPAが2か月続けて目標の1.5倍を超えたら改善策を検討する」「四半期ごとに配分を見直す」といったルールです。 判断の基準を先に決めておくことで、担当者が変わっても同じ考え方で運用を続けやすくなります。
費用構造から考える広告費の抑え方——認知と指名検索の視点
広告費を削減する方法には、「今使っている媒体のムダを削る」方向と、「費用構造の異なる施策に置き換える・組み合わせる」方向の2つがあります。 前者はここまでの手順で進められます。後者を検討するときは、施策ごとの費用のかかり方の違いを理解しておくことが大切です。
クリック課金・掲載課金・月額制の違い
リスティング広告のようなクリック課金型は、クリックされるたびに費用が発生するため、競合が多い地域や業種ではクリック単価が上がりやすく、 獲得件数を増やそうとするほど費用も比例して増える構造です。ポータルサイトのような掲載課金型は、掲載プランに応じた月額費用がかかり、 上位の掲載枠ほど高額になる傾向があります。SEO対策の外注は、作業内容に応じた月額費用がかかるのが一般的です。
これに対して、検索窓に表示される検索候補(サジェスト)を活用して店名・サービス名の認知向上を図る サジェスト広告は、月額制で提供されることが多い施策です。 掲載を想定する面が検索結果ページではなく「検索の入口」である点も、ほかの施策との違いです。
| 比較項目 | SEO対策 | リスティング広告 | サジェスト広告 |
|---|---|---|---|
| 掲載を想定する面 | 検索結果ページ | 検索結果ページの広告枠 | 検索窓に表示される検索候補 |
| 費用のかかり方 | 施策の内容による | クリックごとに課金 | 月額制 |
| 費用の目安 | 月額10万〜50万円程度 | 月額20万〜50万円程度 (広告費+運用費) |
月額2万円〜 |
※表は各施策の一般的な仕組みの違いを示したものです。SEO対策・リスティング広告の金額は一般的な相場の目安であり、施策内容・事業者・出稿条件により大きく異なります。サジェスト広告は検索候補への表示を保証するものではありません。費用は実施条件によって変わります。
Adnymousの場合、従来型施策(SEO対策・リスティング広告)と比べ、広告費を最大80%削減できる料金設計としています。 料金の詳細は料金ページをご覧ください。
※費用削減率は当社比較および実施条件によるもので、すべてのケースで80%の削減を保証するものではありません。
「名前で探される状態」が広告費の構造を変えるという考え方
お客様の探し方は、大きく分けて「地域名×業種」のように条件で探す一般検索と、店名やサービス名で探す指名検索の2種類があります。 一般検索のお客様は、多くの競合店と比べながら選ぶため、広告で目に留まる必要があり、獲得のための費用がかかりやすい傾向があります。 一方、指名検索のお客様は、すでに名前を知ったうえで探しているため、自然検索や地図検索の結果から公式情報にたどり着きやすいと考えられます。
つまり、店名・サービス名を知っている人が増え、名前で探されることが増えていけば、一般検索で競り合うための広告に頼る割合を 少しずつ下げられる可能性がある、という考え方です。もちろん、認知の積み上げには時間がかかり、すぐに広告費が下がるわけではありません。 それでも、広告費の削減を「今月の支出を削る」だけでなく、「中長期的に広告に頼りすぎない構造をつくる」という視点で捉えると、 認知や指名検索に関わる施策の位置づけが見えてきます。認知度の高め方は認知度を上げる方法の記事でも整理しています。
業種別・広告費を見直すときの観点
広告費のムダが生まれやすい場所は、業種の集客の特徴によっても変わります。ここでは、店舗ビジネスとサービス事業の代表的な業種ごとに、 見直しの観点を紹介します。いずれも一般的な傾向であり、個々の店舗の状況によって当てはまらない場合もあります。
ヘアサロン(美容室)
ヘアサロンでは、予約サイトへの掲載費が広告費の大きな割合を占めることが多く、掲載プランと新規予約数の関係を確認することが見直しの中心になります。 あわせて、予約サイト経由で来たお客様の再来率を確認しましょう。初回の割引だけを目的にしたお客様の割合が高い場合は、 クーポンの設計やメニューの見せ方を変えることで、同じ広告費でもLTVの高いお客様の比率を高められる可能性があります。 美容室・サロン全般の集客はサロンの集客方法でも解説しています。
ネイルサロン・まつげサロン
ネイルやまつげは、施術の周期が比較的短く、定期的な来店が見込める業種です。そのため、新規獲得の費用だけでなく、 2回目以降の予約をどの経路で受けているかが広告費に大きく影響します。InstagramなどのSNSで作品を発信している場合は、 SNS広告の配信先が既存のフォロワーと重なっていないかも確認したいポイントです。 詳しくはネイル・まつげサロンの集客の記事も参考にしてください。
エステサロン
エステサロンは、体験メニューを入口にした集客が多く、体験から本契約やコース利用に進む割合が費用対効果を大きく左右します。 広告ごとのCPAを見るときは、「体験予約1件あたり」だけでなく、「継続利用に至ったお客様1人あたり」の獲得コストも算出しておくと、 どの媒体が本当に事業に貢献しているかを判断しやすくなります。
パーソナルジム
パーソナルジムは客単価が比較的高く、限界CPAも高めに設定できる一方、競合が多い地域では検索広告のクリック単価が上がりやすい傾向があります。 無料カウンセリングや体験の申し込み数と、その後の入会数を媒体別に追い、入会率の低い媒体の費用を見直すのが基本です。 また、口コミや紹介で入会した会員の割合も把握しておくと、広告に頼らない獲得経路の強さがわかります。 パーソナルジムの集客の記事もあわせてご覧ください。
整体院
整体院は、「地域名+整体」のように近隣で探されることが多く、地図検索やポータルサイトからの流入が中心になりやすい業種です。 地図検索の情報整備は自院でも対応しやすいため、外注しているMEO対策の範囲が適切かを確認すると、ムダが見つかることがあります。 症状名での検索に広告を出している場合は、表現の規制にも配慮が必要です。集客の考え方は整体院の集客で解説しています。
BtoBサービス・士業・専門サービス
法人向けサービスや士業などの専門サービスは、検討期間が長く、問い合わせから契約までに複数回の接点が必要になることが一般的です。 そのため、問い合わせ1件あたりのCPAだけでなく、商談化率・受注率まで追って媒体を評価することが大切です。 また、展示会や紹介で社名を知った見込み客が、後日社名で検索して問い合わせる流れも多いため、指名検索数の推移を見ておくと、 オフラインの活動の効果も間接的に把握できます。
広告費見直しチェックリスト(15項目)
ここまでの内容を、見直しの際に使えるチェックリストにまとめました。「いいえ」が多い項目から手をつけると、効率よくムダを見つけられます。
- 直近6か月以上の広告費を、媒体・手数料・制作費・ツール費に分けて一覧にしている
- すべての契約の更新日・解約条件・最低契約期間を把握している
- 使っていないツールや掲載プランの契約が残っていない
- 媒体ごとに「何を成果とみなすか」の定義をそろえている
- 媒体ごとの成果件数を、クーポンコードやアンケートなどで計測できている
- 媒体ごとのCPA(新規顧客獲得コスト)を、手数料・制作費込みで算出している
- お客様のLTV(平均客単価×平均来店回数)の目安を把握している
- 限界CPAと目標CPAを決めている
- 各媒体の役割(獲得・認知・リピート)を区別している
- 同じお客様に複数の媒体から費用を払っていないかを確認している
- リスティング広告の検索語句レポートを定期的に確認し、不要な語句を除外している
- 2回目以降の予約を、自社の予約ページやLINEなどで受けられている
- 指名検索数の推移を、Google Search Consoleなどで記録している
- 広告の変更は1〜2媒体ずつ行い、前後の数値を比べている
- 毎月同じ指標を記録し、四半期ごとに配分を見直すルールがある
集客施策全体の点検には、集客チェックリストの記事もあわせてご活用ください。
よくある誤解と実際
広告費の削減については、もっともらしく聞こえるものの、実際には注意が必要な考え方がいくつかあります。 代表的な誤解を5つ取り上げます。
誤解1:「全部の広告を一律で2割削れば、それだけ利益が増える」
実際は、一律の削減は成果を出している広告まで弱めてしまうため、新規来店の減少によって売上が下がり、 削減した金額以上に利益が減ることもあります。広告費の削減は、成果との対応関係を確認したうえで、ムダの大きい部分から順に行うのが基本です。
誤解2:「CPAが一番安い媒体に予算を集中させればよい」
実際は、CPAが安い媒体に予算を集中させると、配信対象が広がってCPAが上がっていくことが一般的です。 また、CPAが安くてもLTVが低い媒体もあります。CPAとLTVの両方を見て、媒体の役割と予算の上限をふまえて配分を考えることが大切です。
誤解3:「認知のための広告は効果が測れないので、ムダである」
実際は、認知のための施策は直接の成果件数には表れにくいものの、指名検索数の推移や「知ったきっかけ」のアンケートなど、 間接的な指標で役割を確かめることができます。測りにくいことと、効果がないことは同じではありません。 ただし、間接的な指標でも変化が見られない状態が長く続く場合は、内容や媒体の見直しを検討する余地があります。
誤解4:「広告をやめても、常連客がいるから売上は変わらない」
実際は、どれだけ常連のお客様が多くても、転居やライフスタイルの変化などで一定の割合のお客様は離れていきます。 広告を止めた直後は売上が変わらなくても、数か月後に新規のお客様の不足が表れることがあります。 離反する人数を補えるだけの新規獲得の手段を、広告か広告以外の方法で確保しておく必要があります。
誤解5:「安い施策に切り替えれば、広告費の問題は解決する」
実際は、費用の安さだけで施策を選ぶと、自店の集客の課題に合わないこともあります。 大切なのは、「今の課題が認知不足なのか、比較検討の段階で選ばれていないのか、リピートが少ないのか」を見極め、 その課題に合った費用構造の施策を選ぶことです。施策の切り替えも、手順6と同じく段階的に行い、数値で確かめながら進めるのがおすすめです。
用語ミニ解説
本文に登場した用語や、広告費の見直しでよく使われる用語を、初めての方向けに短く整理します。
- CPA(顧客獲得単価) —— 1件の成果を得るためにかかった費用。広告費を成果件数で割って求めます。新規顧客獲得コストとも呼ばれます
- ROAS(広告費用対効果) —— 広告費1円あたりの売上を示す指標。広告経由の売上を広告費で割って算出します
- LTV(顧客生涯価値) —— 1人のお客様が取引期間全体でもたらす売上や利益の合計。継続利用の多い業種で重要です
- 限界CPA —— これ以上かけると赤字になるCPAの上限。LTVに粗利率をかけて目安を出します
- 目標CPA —— 限界CPAから確保したい利益を差し引いて設定する、運用上の目標値です
- CVR(コンバージョン率) —— 広告をクリックした人やサイト訪問者のうち、予約・問い合わせなどの成果に至った割合です
- フリークエンシー —— 同じ人に広告が表示された平均回数。高すぎると、同じ人に費用を払い続けることになります
- 除外キーワード —— リスティング広告で、広告を表示させたくない検索語句を指定する設定。ムダなクリックを減らすために使います
- 指名検索 —— 店名・会社名・サービス名など、固有の名前を直接入力して行われる検索です
- 一般検索 —— 「地域名+業種」のように、名前を特定せずに条件で行われる検索です
- 検索候補(サジェスト) —— 検索窓に文字を入力したときに表示される、関連キーワードの候補。検索エンジンが自動で生成します
- Google Search Console —— どんな検索語で自社サイトが表示・クリックされたかを確認できるGoogleの無料ツール。指名検索数の把握に使えます
よくある質問
広告費を削減する方法として、最初に何から始めればよいですか?
広告の費用対効果は、どの指標で判断すればよいですか?
新規顧客獲得コスト(CPA)はいくらまでなら許容できますか?
広告予算の決め方にはどんな方法がありますか?
広告費を一律で減らすのはよくないのですか?
効果が測れない広告は、すぐに止めたほうがよいですか?
広告費の見直しは、どのくらいの頻度で行えばよいですか?
サジェスト広告は広告費の削減に役立ちますか?
医療機関(クリニック・歯科医院など)の広告費の相談もできますか?
まとめ
広告費を削減する方法の基本は、総額を一律に削ることではなく、支出と成果の対応関係を明らかにして、ムダを見つけて整理することです。 棚卸しで全体像をつかみ、成果の定義をそろえ、媒体ごとのCPA・ROASを出し、重複を確かめたうえで、削減・改善・維持・増額に仕分ける。 そして変更は段階的に行い、毎月の定点観測で数値を確かめる——この流れを回すことで、事業への影響を抑えながら広告費の見直しを進めやすくなります。
あわせて、限界CPAと目標CPAを決めておくこと、短期の獲得だけでなく認知やリピートの役割も区別して予算を配分することが、 削りすぎや誤った停止を防ぐポイントです。店名・サービス名を知っている人が増え、名前で探される状態に近づくほど、 一般検索で競り合う広告に頼る割合を見直しやすくなる、という中長期の視点も持っておくとよいでしょう。
広告費の見直しで「獲得用の広告に頼りすぎている」と感じたら、検索候補(サジェスト)を活用して店舗名・サービス名の認知向上を図り、 指名検索につながる接点を増やすという選択肢もあります。今の広告費の配分を整理したうえで、認知の施策をどう組み合わせるかを検討するという考え方です。 サービスの内容はサービス紹介でもご覧いただけます。
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