店舗集客の基本の考え方
店舗集客を考えるときは、まず「新規顧客の獲得」と「リピーター(既存顧客)の育成」を分けて捉えるのが 基本とされています。お店を知らない人に見つけてもらう活動と、再来店してもらう活動では、 有効な打ち手が異なるためです。
また一般に、新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストより高くなる傾向があると言われています (「1:5の法則」という考え方が知られています)。新規顧客の獲得方法だけに偏らず、 来店してくれたお客様との接点づくり(LINE・SNS・紹介制度など)をセットで設計することが、 獲得コストを抑えるうえで大切だとされています。
POINT
もう一つの基本は、「お客様がお店を探す経路」から逆算することです。 検索(Google・Yahoo!)、地図アプリ、SNS、予約サイト、店の前の通行、知人の紹介—— 自店のお客様がどの経路で来ているかを把握すると、力を入れるべき集客方法が見えやすくなります。
無料・低予算でできる店舗集客(方法1〜5)
まずは費用をかけずに始められる集客アイデアからです。方法1〜5として、 多くの店舗で取り組まれている無料・低予算の施策を紹介します。 各方法について、向いている店・始め方の手順・費用の目安・つまずきやすい点もあわせて解説します。 なお、費用に関する記載はいずれも一般的な目安であり、条件によって変わります。
1. Googleビジネスプロフィール(MEO対策)
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップに店舗情報を無料で掲載できるサービスです。 「地域名×業種」で探すユーザーの目に触れる入口として、多くの店舗で活用されています。 営業時間・写真・メニューを最新に保つ、口コミに丁寧に返信する、投稿機能でお知らせを発信する、 といった基本の整備から始めるのがよいとされています。
向いている店:実店舗を構えるほぼすべての業種に当てはまりますが、 特に「地域名×業種」で探されることが多い美容室・飲食店・小売店・パーソナルジムなど、 来店型のビジネスとの相性が良いとされています。
始め方の手順:
- Googleビジネスプロフィールに登録し、オーナー確認(ビジネスの確認)を済ませる
- 営業時間・住所・電話番号・写真・メニューなどの基本情報を埋め、最新の状態にする
- 週1回など頻度を決めて、写真の追加・投稿・口コミへの返信を続ける
費用の目安:登録・利用は無料です。写真撮影を外部に依頼する場合は 数万円程度の費用がかかることもあると言われています。 つまずきやすい点:登録だけして放置してしまうケースです。 営業時間や定休日が実際と異なるままだと、来店した方の不信感につながることもあるとされているため、 情報の更新を運用の中に組み込んでおくことが大切です。
2. SNS運用(Instagram・X・TikTok)
SNSを使った集客方法は、お店の雰囲気やスタッフの人柄、施術例・商品写真などを継続的に発信し、 来店前の「知ってもらう・覚えてもらう」段階をつくる取り組みです。 写真との相性が良い業種(美容室・ネイルサロン・飲食店など)ではInstagram、 動画で世界観を伝えたい場合はTikTok、速報性の高い告知はX、といった使い分けが一般的です。 ハッシュタグや位置情報の付与など、地域のユーザーに届きやすくする工夫も広く行われています。
向いている店:写真や動画で魅力が伝わる業種 (美容室・ネイルサロン・エステ・カフェ・雑貨店など)に向いているとされています。 ビフォーアフターや作品例、料理の写真など「見せられるもの」がある店ほど始めやすい傾向があります。
始め方の手順:
- 主要な客層が使っているSNSを1つ選ぶ(複数同時に始めない)
- プロフィールに地域名・業種・予約や問い合わせへの導線を整える
- 投稿の型(施術例・商品紹介・お知らせ・スタッフ紹介など)を決めて、週数回のペースで発信する
- 保存数やプロフィールへのアクセスなど反応を見て、内容と頻度を調整する
費用の目安:アカウント運用自体は無料です。運用を代行会社に依頼する場合は 月数万円〜十数万円程度が一般的な目安と言われています。 つまずきやすい点:完璧な投稿を目指して更新が止まってしまうこと、 フォロワー数だけを目標にしてしまうことが挙げられます。店舗集客の観点では、 フォロワーの多さよりも「商圏内の見込み客に届いているか」が大事だとされています。
3. LINE公式アカウント
LINE公式アカウントは、友だち追加してくれたお客様にメッセージやクーポンを配信できるサービスで、 無料プランから始められます。店頭POPや会計時の一声で友だち追加を案内し、 再来店のきっかけづくりに活用されています。新規向けというよりリピーター育成の色が濃い施策ですが、 「初回来店→LINE登録→再来店」の流れを整えることは、獲得コストを抑える観点でも重要とされています。
向いている店:再来店の積み重ねで成り立つ業種 (美容室・エステ・飲食店・パーソナルジム・習い事教室など)に向いているとされています。 来店間隔がある程度決まっている業種ほど、配信のタイミングを設計しやすい傾向があります。
始め方の手順:
- LINE公式アカウントを開設し、あいさつメッセージと基本情報を設定する
- 店頭POP・会計時の一声・SNSプロフィールなどで友だち追加を案内する
- 配信の頻度とテーマを決める(月2〜4回程度の無理のないペースから始める例が多いようです)
費用の目安:無料プランから始められます。配信数が増えた場合の有料プランは 月5,000円程度からが一般的な目安とされています(配信通数により変わります)。 つまずきやすい点:配信が多すぎてブロックされてしまうこと、 クーポン一辺倒で値引き頼みになってしまうことが挙げられます。 お知らせや季節の情報など、割引以外の内容を混ぜる工夫が知られています。
4. 口コミ・レビューへの取り組み
Googleビジネスプロフィールや予約サイトの口コミは、来店を検討する人が参考にする情報の一つとされています。 口コミ投稿用のQRコードカードを用意して任意でお声がけする、いただいた口コミに返信する、 といった地道な取り組みが中心です。 なお、金銭などの見返りを条件にした口コミ依頼は、景品表示法のステルスマーケティング規制に 抵触するおそれがあるとされているため、あくまで任意のお願いにとどめましょう。
向いている店:来店前に比較検討されやすい業種全般 (美容系サロン・飲食店・習い事など)で重視されているとされています。 初めてのお客様が「知らない店」への不安を減らすための情報源として口コミを見る傾向があるためです。
始め方の手順:
- 口コミ投稿ページに直接つながるQRコード付きのカードやPOPを用意する
- 満足いただけた様子のお客様に、任意でのご協力としてお声がけする
- いただいた口コミには内容にかかわらず丁寧に返信する運用をルール化する
費用の目安:基本的に無料で、カードやPOPの印刷代として数千円程度が目安です。 つまずきやすい点:見返りを条件にした依頼(ステマ規制・各プラットフォームのポリシーに 抵触するおそれ)と、低い評価への感情的な返信が挙げられます。 厳しい声にも事実の説明と改善の姿勢で落ち着いて返信することが、 口コミを読む第三者への印象の面でも大切だと言われています。
5. 店頭・看板の工夫
店前の通行者に向けた工夫も、費用を抑えられる集客アイデアです。 A看板やのぼりでメニューと価格帯をわかりやすく示す、営業中であることが一目でわかるようにする、 といった定番の改善が挙げられます。 「店名で検索してみてください」「LINE登録で特典」など、 店頭からオンラインの接点につなげる一言を添える工夫も行われています。
向いている店:人通りのある立地の店舗に向いています。 逆に、空中階や路地裏など通行者から見えにくい立地では、 店頭よりも検索・地図・SNSといったオンラインの入口を優先する考え方が一般的です。
始め方の手順:
- 通行者の目線で自店の前を歩き、何の店か・いくらか・営業中かが伝わるかを確認する
- 業種・価格帯・営業中の3点が数秒で伝わる表示に整える
- 「店名で検索」「LINE登録」など、オンラインの接点への誘導の一言を添える
費用の目安:A看板は数千円〜数万円程度が一般的な目安とされています。 つまずきやすい点:情報を詰め込みすぎて結局読まれないことが挙げられます。 また、歩道への看板の設置には自治体のルール(道路占用など)が関わる場合があるため、 設置場所の確認もしておきましょう。
有料のWeb集客方法(方法6〜10)
続いて、広告費をかけて行うWeb集客の方法です。方法6〜10として代表的な5つを紹介します。 記載の金額はいずれも一般的な相場の目安であり、施策内容・事業者・出稿条件によって大きく変わる点にご注意ください。
6. リスティング広告(検索連動型広告)
リスティング広告は、GoogleやYahoo!の検索結果ページの広告枠に、クリック課金で表示する広告です。 「今まさに探している人」に届きやすい即時性が特徴とされています。 運用を代理店に依頼する場合、月額20万〜50万円程度(広告費+運用費)が一般的な相場の目安と言われています。 費用構造の詳細は「リスティング広告・SEO対策・MEO対策の費用相場と広告費を抑える考え方」で解説しています。
向いている店:「地域名×業種」で今すぐ探す人が多い業種 (飲食・美容・リペア系サービスなど)で、かつ広告をクリックした人の受け皿となる サイトや予約ページが整っている店に向いているとされています。
始め方の手順:
- 広告の受け皿となるページ(自社サイト・予約ページ)を先に整える
- 出稿するキーワードと月の予算上限を決める
- 少額から出稿し、問い合わせ・予約1件あたりの費用を見ながら、キーワードと予算を調整する
費用の目安:自社運用なら広告費のみで少額から始められます。 代理店に依頼する場合は前述のとおり月額20万〜50万円程度(広告費+運用費)が一般的な相場の目安とされています。 つまずきやすい点:受け皿のページがないまま出稿してしまうことと、 クリック単価の高いキーワードで予算だけが消化されてしまうことが挙げられます。 地域名を含む具体的なキーワードに絞る工夫が広く知られています。
7. SNS広告
InstagramやLINE、TikTokなどのSNSに出稿する広告です。地域・年齢・興味関心などでの配信設定ができ、 少額から出稿できる設計になっているため、店舗ビジネスでも試しやすい選択肢とされています。 アカウント運用とセットで取り組まれることが多い方法です。
向いている店:写真・動画で魅力が伝わる業種で、 配信対象を商圏の地域に絞りたい店に向いているとされています。 「まだ探していない人」にも表示されるため、認知づくりの用途で使われることが多い施策です。
始め方の手順:
- 通常投稿の中で反応の良かった写真・動画を確認し、広告素材の候補にする
- 配信する地域・年齢層などの条件を設定する
- 1日数百円程度の少額から配信し、反応を見て素材と条件を差し替えていく
費用の目安:少額から設定でき、月数万円程度から試す例が多いと言われています。 つまずきやすい点:広告素材を1本だけ作って良し悪しを判断してしまうこと、 配信対象を広げすぎて商圏外に予算が流れてしまうことが挙げられます。 複数素材の比較と、商圏に沿った配信地域の設定が基本とされています。
8. ポータルサイト・予約サイトへの掲載
業種別のポータルサイト(グルメサイト・美容系予約サイトなど)への掲載は、 「比較検討しながら探している人」に接触しやすい方法とされています。 掲載料や手数料はサイト・プランによって幅があるため、 自店の客単価と照らして無理のないプランを選ぶことが大切です。
向いている店:予約サイト経由での比較検討が定着している業種 (飲食店・美容室・ネイルサロン・エステなど)に向いているとされています。 新規のお客様がポータル上で探す習慣のある業種かどうかが判断の軸になります。
始め方の手順:
- 自店の業種で使われている主要なポータルサイトと料金体系を比較する
- 客単価・利益率と掲載料・手数料を照らして、無理のないプランを選ぶ
- 写真・メニュー・料金を整備し、口コミへの返信も含めてページを育てる
費用の目安:月数千円程度の枠から数十万円程度のプランまで、 サイト・掲載順位・オプションによって幅があると言われています。予約1件ごとの成果報酬型もあります。 つまずきやすい点:手数料の負担が客単価に見合わなくなる「手数料負け」と、 ポータル依存で自店の接点(LINE・SNSなど)が育たないことが挙げられます。 来店後に自店の連絡先接点へつなげる設計をセットで考えるのが一般的です。
9. SEO対策(自社サイト・ブログ)
自社サイトやブログを検索結果で見つけてもらいやすくする施策です。 効果の実感までに時間がかかる中長期の取り組みとされる一方、コンテンツが資産として積み上がる点が 特徴に挙げられます。外部に依頼する場合は月額10万〜50万円程度が一般的な相場の目安と言われています。
向いている店:お客様の疑問に答えられる専門知識があり、 中長期で腰を据えて取り組める店に向いているとされています。 こだわりや選び方の情報を発信できる業種(専門性の高いサロン・工房・専門店など)で採用例が多い方法です。
始め方の手順:
- 自社サイトの基本(店舗情報・メニュー・アクセス・スマホ表示)を整える
- お客様からよく聞かれる質問をテーマに、疑問に答える記事を無理のないペースで作成する
- Google Search Consoleなどで、どんな検索語で表示・クリックされているかを確認して改善する
費用の目安:自社で記事を書く場合はサーバー代など小さな費用で始められます。 外部に依頼する場合は月額10万〜50万円程度が一般的な相場の目安とされています。 つまずきやすい点:数か月の短期で判断してやめてしまうことと、 記事づくりに注力するあまり、店舗ページとして必要な基本情報(住所・営業時間・料金)が 整わないままになることが挙げられます。
10. サジェスト広告
サジェスト広告は、検索窓に表示される検索候補(サジェスト)を活用して、店舗名・サービス名の認知向上を図る月額制の施策です。 「地域名×業種」で探されることが多い店舗ビジネスの認知づくりに活用されています。 検索候補に表示されるかどうかは検索エンジン各社のアルゴリズムが決めるため、 表示が保証されるものではない点は理解しておきましょう。 仕組みや費用の詳細は「サジェスト広告とは?仕組み・費用・やり方からデメリットまで解説」で、 サービス概要はトップページでもご覧いただけます。
向いている店:「地域名×業種」などで検索されることが多く、 店舗名・サービス名を覚えてもらうこと——認知度の向上や、指名検索・来店候補への定着——を 図りたい店で検討される施策です。クリック課金型の広告とは役割が異なり、 中長期的な新規顧客の獲得に向けた認知づくりの位置づけで使われることが多いとされています。
始め方の手順:
- 想定される検索語(地域名×業種など)と、掲載を想定する面を整理する
- 実施の可否や条件を事業者に確認する(Adnymousでは15分ほどのオンライン説明をご用意しています)
- 開始後は、指名検索数やプロフィール・サイトへのアクセスの推移を見ながら継続を判断する
費用の目安:月額制で、Adnymousの場合は月額2万円から実施できます(費用は実施条件によって変わります)。 つまずきやすい点:検索候補への表示を前提に計画を立ててしまうことです。 表示の可否は検索エンジン各社のアルゴリズム次第であるため、表示を図る施策として捉える必要があります。 また、検索した人の受け皿となるサイトやGoogleビジネスプロフィールが未整備のままだと、 せっかくの検索が来店につながりにくいとも言われています。
検索候補に、あなたのお店の名前を。
Adnymousは、GoogleやYahoo!などの検索候補を活用し、店舗名・サービス名の認知向上を図る広告サービスです。 月額2万円から実施でき、ご希望の検索語をふまえて実施の可否や条件をご説明します。
15分の相談を申し込む※費用は実施条件によって変わります。検索候補への表示を保証するものではありません。
オフラインの集客方法(方法11〜15)
Webだけでなく、オフラインの接点も店舗集客の柱です。方法11〜15として、 商圏の近いお客様に届けやすい施策を紹介します。
11. チラシ・ポスティング
商圏が徒歩圏・自転車圏の店舗で広く使われてきた方法です。 配布エリアを商圏に絞る、クーポン券を付けて反応を測る、といった工夫が一般的です。 印刷・配布の費用は部数やエリアによって変わるため、見積もりの比較がおすすめです。
向いている店:商圏が徒歩圏・自転車圏に収まり、 幅広い年齢層——特にWebをあまり使わない層も含む——にお知らせしたい店に向いているとされています。 新規開店・リニューアルなど「地域に知らせたい出来事」があるタイミングとの相性も良い方法です。
始め方の手順:
- 地図で配布エリア(商圏)を決める
- クーポン券や「チラシを見た」特典など、反応を測れる仕掛けを入れて制作する
- 配布方法(ポスティング業者・新聞折込・店頭手配り)を選び、見積もりを比較する
- 持参されたクーポンの枚数などで反応率を記録する
費用の目安:印刷は1枚数円程度から、ポスティングは1枚数円〜十数円程度が 一般的な目安と言われています(部数・エリア・仕様により変わります)。 つまずきやすい点:反応を測る仕掛けを入れずに配ってしまい、 続けるべきか判断できなくなることが挙げられます。
12. フリーペーパー・地域情報誌
地域のフリーペーパーや情報誌への掲載は、その地域の読者にお店を知ってもらう方法の一つです。 読者層(年齢・エリア)が自店のお客様像と重なっているかを確認して選ぶことが大切とされています。
向いている店:地域密着で営業しており、 媒体の読者層(年齢・性別・配布エリア)が自店の客層と重なる店に向いているとされています。
始め方の手順:
- 商圏で配布されている媒体を集め、読者層と配布エリアを確認する
- 掲載枠の大きさと料金を比較し、クーポンなど反応を測れる形で掲載する
- 掲載後は「何を見てご来店されましたか」の確認で反応を記録する
費用の目安:枠の大きさや媒体によって数万円〜数十万円程度と幅があると言われています。 つまずきやすい点:読者層が自店の客層とずれた媒体を選んでしまうことが挙げられます。 媒体資料で読者属性を確認してから決めるのが一般的です。
13. 地域イベント・マルシェへの出店
地域のイベントやマルシェに出店し、商品やサービスを体験してもらう方法です。 その場の売上だけでなく、SNSフォローやLINE登録につなげて後日の来店を促す設計が重要と言われています。
向いている店:その場で体験・試食してもらうと良さが伝わる業態 (飲食・菓子・雑貨・ハンドメイド・ワークショップ型のサービスなど)に向いているとされています。
始め方の手順:
- 商圏内で開催されるイベント・マルシェを探し、出店条件を確認して申し込む
- 当日は、LINE登録やSNSフォローにつながる特典・案内カードを用意しておく
- 後日の来店を促すクーポンやショップカードを渡し、イベント経由の来店数を記録する
費用の目安:出店料は数千円〜数万円程度が一般的な目安と言われています (規模・立地により変わります)。 つまずきやすい点:当日の売上だけで終わってしまい、 店舗への来店につながる接点(LINE・SNS・クーポン)をつくらないまま解散してしまうことが挙げられます。
14. 紹介制度(リファラル)
既存のお客様に知人を紹介してもらう仕組みです。紹介した人・された人の双方に特典を用意する形が一般的で、 信頼をともなった新規顧客の獲得方法として多くの店舗で取り入れられています。
向いている店:既存のお客様の満足度が高く、常連の多い店に向いているとされています。 友人・家族と一緒に利用されやすい業種(美容室・飲食・習い事など)で特に採用例が多い方法です。
始め方の手順:
- 紹介した人・された人の双方にメリットのある特典を設計する
- 紹介カードやLINEでの案内など、お客様が紹介しやすい形を用意する
- 紹介経由の来店数を記録し、特典内容を見直していく
費用の目安:かかる費用は基本的に特典分のコストのみです。 つまずきやすい点:制度を作ったものの案内が行き届かず、 存在自体が知られていないケースが多いと言われています。 逆に特典を大きくしすぎて利益を圧迫する例もあるため、客単価との釣り合いが大切です。
15. DM・ニュースレター
ハガキや手紙で、しばらく来店のないお客様に近況やお知らせを届ける方法です。 デジタルの接点が薄い客層にも届きやすい手段とされ、休眠客の掘り起こしに活用されています。
向いている店:お客様の住所を含む顧客名簿があり、 来店間隔が空きやすい業種(美容室・エステ・呉服・宝飾など)に向いているとされています。
始め方の手順:
- 顧客名簿から、一定期間(例えば半年以上)来店のないお客様を抽出する
- お店の近況と、来店のきっかけになる情報(季節メニュー・新サービスなど)を記載して送る
- DMを見て来店された数を記録し、文面や送るタイミングを改善していく
費用の目安:ハガキの場合、印刷費と郵送費をあわせて1通あたり百数十円程度からが 一般的な目安と言われています。 つまずきやすい点:売り込み色が強すぎて読まれないことが挙げられます。 また、顧客名簿は個人情報にあたるため、利用目的の範囲内での取り扱いと保管の管理に注意しましょう。
集客の優先順位の決め方
15の方法を眺めても、どれから手を付けるかは店の状況によって変わります。 ここでは代表的な3つのシナリオ別に、取り組む順番の考え方を紹介します。 いずれも一般的な考え方の例であり、業種や立地によって最適な順番は変わります。
シナリオ1:開業直後で認知がほぼない
開業直後は「探しても見つからない」状態を解消することが最優先とされています。 まずGoogleビジネスプロフィールの整備(方法1)と店頭・看板(方法5)で、 検索した人と通行者の両方に見つけてもらえる土台をつくり、 並行してSNSアカウント(方法2)を開設して開店準備の様子から発信を始める、という順番が知られています。 地域に一斉に知らせたい場合は、開店タイミングに合わせたチラシ(方法11)や フリーペーパー(方法12)を組み合わせる例もあります。 有料のWeb広告は、受け皿となるプロフィールやサイトが整ってから検討するのが一般的です。
シナリオ2:既存客はいるが新規が減ってきた
営業年数があり常連はいるものの新規顧客が減ってきた場合は、 まず「新規のお客様がどの経路で来ていたのか」を確認することから始めるのがよいとされています。 そのうえで、既存のお客様を起点にした口コミ(方法4)と紹介制度(方法14)は 費用を抑えて始めやすい打ち手として知られています。 並行して、検索まわり——Googleビジネスプロフィールの見直し(方法1)、 リスティング広告(方法6)やサジェスト広告(方法10)など——で、 自店を知らない人との新しい接点を検討する流れが一般的です。 古くなったプロフィール情報や写真の刷新だけでも、検索した人への見え方が変わると言われています。
シナリオ3:新規は来るがリピートが弱い
新規顧客は入っているのに再来店が続かない場合、先に強化すべきは新規獲得ではなく リピートの仕組みだとされています。穴の空いたバケツに水を注ぎ続けるより、 先に穴を塞ぐ、という例えで語られる考え方です。 具体的には、初回来店時のLINE登録の案内(方法3)、次回来店のきっかけになる情報の配信、 来店間隔が空いたお客様へのDM(方法15)などが挙げられます。 あわせて、再来店されない理由(価格・接客・立地・忘れられている等)を アンケートや口コミから探ることも大切と言われています。 リピートの受け皿が整ってから新規向けの広告に投資するほうが、 獲得コストに見合いやすいという考え方が知られています。
自店に合う集客方法の選び方
15の方法をすべて同時にやる必要はありません。一般に、 お客様が探す経路から逆算し、無料施策で土台を整えてから有料施策へ進む順序が、 店舗集客を成功に近づける進め方とされています。
「地域名×業種」で検索される業種なら検索まわり(Googleビジネスプロフィール・SEO対策・リスティング広告・サジェスト広告)、 写真で選ばれる業種ならSNS、通りがかりの多い立地なら店頭・看板、というように経路と施策を対応させます。 Googleビジネスプロフィールや自社のSNS・サイトが未整備のまま広告を出すと、 調べた人の受け皿がない状態になりがちだからです。 あわせて、「何を見て来店されましたか」と伺う、クーポンコードで経路を分ける、 アクセス解析(GA4など)で推移を見る、といった効果測定の方法も先に決めておきましょう。
着手前のチェックリストとしてご活用ください。
- 商圏は徒歩圏中心か、広域かを把握している
- 「地域名×業種」で検索される業種かを確認した
- 写真・動画と相性の良い業種かを考えた
- Googleビジネスプロフィールの情報は最新になっている
- 月々の集客にかけられる上限額を決めている
- 来店経路を確認する方法(アンケート・クーポン・解析)を決めている
なお、美容室・ネイルサロン・エステなどのサロン業種で「施策はやっているのに手応えがない」という場合は、 「サロン集客がうまくいかない時の見直し方」の記事もあわせてご覧ください。
集客を数字で管理する基本
集客施策を「なんとなく続ける」状態から抜け出すには、少数の数字を決めて毎月見ることが有効とされています。 店舗集客でよく使われるのは、新規来店数・リピート率・獲得コスト(CPA)の3つです。 高度な分析ツールがなくても、予約台帳やレジの記録から手計算で始められます。
新規来店数は、その月に初めて来店したお客様の数です。 あわせて「何を見て来店したか」の経路(検索・SNS・チラシ・紹介など)も記録しておくと、 どの施策が新規につながっているかを振り返る材料になります。
リピート率は、再来店したお客様の割合です。定義は店舗によって異なりますが、 たとえば「初回来店から90日以内に2回目の来店があった割合」のように、 自店なりの定義を決めて同じ物差しで毎月見ることが大切とされています。 架空の例ですが、ある月の初回来店が20人で、そのうち90日以内に8人が再来店した場合、 この定義でのリピート率は8÷20=40%となります。
獲得コスト(CPA)は、新規顧客1人を獲得するのにかかった費用です。 施策ごとに「かけた費用÷その施策経由の新規数」で計算します。 こちらも架空の例ですが、ある月にチラシへ3万円かけて、チラシのクーポン持参の新規が10人だった場合、 チラシ経由の獲得コストは3万円÷10人=3,000円です。 この数字が良いか悪いかは、お客様1人がもたらす価値(LTV)と照らして判断する考え方が知られています。 たとえば客単価6,000円・年4回来店・2年継続なら、単純計算でLTVは4万8,000円という見積もりになります (これも架空の計算例で、実際は利益率や継続率を加味して考えます)。
POINT
月次で見る項目は欲張らず、次のようなチェックリストに絞るのが続けるコツとされています。
- 新規来店数と、その経路の内訳
- リピート率(自店の定義で毎月同じ計算)
- 施策ごとにかけた費用と、施策ごとの獲得コスト
- 口コミの件数・評価・返信できているか
- Googleビジネスプロフィールの表示回数・アクセス数
- SNSのフォロワー数より、保存数・プロフィールアクセスなどの反応
- LINE公式アカウントの友だち数とブロック率
よくある誤解と実際
店舗集客の相談でよく耳にする思い込みを、一般的に言われている実際の姿とあわせて整理します。
誤解1:「SNSは無料だからコストゼロ」
アカウントの利用料は無料でも、撮影・編集・投稿・コメント返信には時間がかかります。 営業の合間に週数時間を使うなら、その人件費が実質的なコストだという見方が一般的です。 「無料だから」と手を広げすぎるより、続けられる範囲で1つのSNSに絞るほうが 結果的に負担が小さいと言われています。
誤解2:「フォロワー数=集客力」
フォロワーが多くても、商圏外の人やお店に興味の薄い人が中心では来店にはつながりにくいとされています。 店舗集客の観点では、フォロワーの総数よりも、保存数・プロフィールへのアクセス・ 位置情報やハッシュタグ経由の閲覧など「商圏内の見込み客に届いているか」を示す反応のほうが 参考になると言われています。
誤解3:「広告を出せばすぐお客様が来る」
広告は「知ってもらう」入口をつくるものであり、その後にプロフィールやサイトを見て 比較検討される段階があります。受け皿が未整備のままでは、広告費をかけても 来店まで進みにくいとされています。また、広告の成果は出稿条件や競合状況によって変わるため、 少額で試して効果測定しながら調整していく前提で考えるのが一般的です。
誤解4:「口コミは自然に増えるのを待つしかない」
見返りを条件にした依頼は避けるべきとされていますが、 「よろしければ口コミをお願いします」と任意でお声がけすること自体は広く行われています。 投稿ページへのQRコードを用意して手間を減らす、いただいた口コミに返信して 「声が届く店」だと示す、といった能動的な運用の余地は十分にあると言われています。
誤解5:「集客とは新規のお客様を増やすこと」
新規獲得は集客の一部にすぎず、再来店の促進も同じくらい重要な集客活動とされています。 前述のとおり、一般に新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストより高い傾向があると言われており、 リピートの仕組みを整えることが、結果として集客全体の費用対効果を左右するという考え方が知られています。
用語ミニ解説
本記事に登場した用語や、集客の情報収集でよく目にする言葉を短く解説します。
- MEO——Map Engine Optimizationの略として使われる言葉で、Googleマップなどの地図検索で自店を見つけてもらいやすくする取り組みを指します。実務上はGoogleビジネスプロフィールの整備・運用とほぼ同義で使われることが多い用語です。
- SEO——Search Engine Optimization(検索エンジン最適化)の略。自社サイトやブログを検索結果で見つけてもらいやすくする施策の総称です。
- リスティング広告——GoogleやYahoo!の検索結果ページの広告枠に、クリック課金で表示する広告。検索連動型広告とも呼ばれます。
- サジェスト広告——検索窓に表示される検索候補(サジェスト)を活用して、店舗名・サービス名の認知向上を図る月額制の施策。検索候補への表示は検索エンジン各社のアルゴリズムが決めるため、表示が保証されるものではありません。
- CPA——Cost Per Acquisitionの略で、顧客獲得単価のこと。新規顧客1人の獲得にかかった費用を指し、「かけた費用÷獲得した新規数」で計算されます。
- LTV——Life Time Value(顧客生涯価値)の略。1人のお客様が取引期間全体を通じてもたらす売上・利益の見積もりで、広告にかけてよい費用を考える物差しとして使われます。
- リピート率——一定期間内に再来店したお客様の割合。計算の定義は店舗や業界によって異なるため、自店の定義を決めて同じ物差しで追うことが大切とされています。
- 口コミマーケティング——お客様の口コミや紹介を起点に認知を広げていく考え方。レビューへの返信や紹介制度の設計などが含まれます。
- コンバージョン——予約・問い合わせ・来店など、施策のゴールとして設定した行動のこと。広告やサイトの成果を測る単位として使われます。
- インプレッション——広告や投稿が画面に表示された回数。表示されただけでクリックや来店を意味しない点に注意が必要です。
- オーガニック検索——広告枠ではない、自然な検索結果のこと。SEO対策はこのオーガニック検索での見つかりやすさを高める施策です。
- ステマ規制——広告であることを隠した宣伝(ステルスマーケティング)を規制する景品表示法上のルールで、2023年10月に施行されました。見返りを条件にした口コミ依頼はこの規制に抵触するおそれがあるとされています。
よくある質問
店舗集客はまず何から始めればよいですか?
無料でできる店舗集客にはどんな方法がありますか?
新規顧客の獲得コストを抑えるにはどうすればよいですか?
MEO対策とSEO対策の違いは何ですか?
SNS集客はどのくらいの期間で手応えが出ますか?
店舗集客にかける予算はどのくらいが目安ですか?
リピーターを増やすにはどんな方法がありますか?
サジェスト広告はどのような店舗に向いていますか?
口コミのお礼にクーポンを渡してもよいですか?
まとめ
店舗集客の方法は、無料・低予算の施策(Googleビジネスプロフィール・SNS・LINE・口コミ・店頭)、 有料のWeb集客(リスティング広告・SNS広告・ポータルサイト・SEO対策・サジェスト広告)、 オフライン施策(チラシ・地域媒体・イベント・紹介制度・DM)の15個に大きく分けられます。 すべてに手を出すのではなく、お客様が探す経路から逆算し、無料施策で土台を整えたうえで、 自店に合う有料施策を少しずつ試していく——この進め方が、 新規顧客の獲得コストを抑えながら店舗集客を進めるコツとされています。 あわせて、新規来店数・リピート率・獲得コストといった数字を毎月同じ物差しで見ることで、 施策の続け時・やめ時を判断しやすくなります。
まずは15分、オンラインでご説明します。
Adnymousのサジェスト広告について、仕組みと試算の考え方を貴店・貴社の数値に合わせてご説明します。 ご検討中の検索語があれば、実施の可否や条件もその場でお答えします。
15分の相談を申し込む※月額2万円から。費用は実施条件によって変わります。


